陸上の福士加代子さん「私の人生は運でできている」 笑いも交え講演と実演 島根県大田市

走り方を実演する福士加代子さん=大田市大田町、あすてらす

 陸上女子長距離で4大会連続五輪に出場した福士加代子さん(41)による講演と実技指導が2日、大田市大田町の島根県立男女共同参画センターあすてらすであった。福士さんは楽しむことを忘れずスポーツに取り組む大切さを説いた。

 福士さんは青森県出身で、地元の高校卒業後、ワコール(京都市)に入社。5000メートル、1万メートル、マラソンの種目で、五輪は2004年のアテネ大会から4大会連続出場した。13年の世界陸上モスクワ大会では銅メダルを獲得。実力とともに底抜けに明るい性格で陸上界をけん引した。現在はワコール女子陸上部のアドバイザーを務める。

 講演は「頑張れ自分 地方から世界へ」と題し、強豪ではなかった高校陸上部の時、レースでは負けてもいいから「一度は先頭に立つ」ことを心がけていたと振り返った。

 実業団に入って、世界で戦うようになり、海外選手の競技への向き合い方を参考に「今日やらないといけないと思うことをやめた」。時々、息を抜くなど自分に合ったトレーニングや競技への向き合い方で、練習や体調管理のリズムをつかんでいったという。

 仲間や指導者との出会いを振り返り「私の人生は運でできている」と話し、会場を笑わせた。ステージでトレーニングでの足運びやストレッチ法を実演しながら指導し、交流した。

 大田ロータリークラブが市民公開講座として開き、250人が聞いた。

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