雄大な自然画に見入る セレネ美術館、金沢で黒部峡谷展 21世紀美術館で開幕

学芸員の解説を聞きながら作品を鑑賞するセレモニー出席者や来場者=5日午前10時15分、金沢21世紀美術館

 セレネ美術館(黒部市)の金沢特別展「黒部峡谷 日本画展―秘境・黒部からやってきた名画たち」(北國新聞社、富山新聞社特別協力)は5日、金沢21世紀美術館で開幕した。セレネ美術館が金沢で出張展示を行うのは初めてで、日本画の巨匠・平山郁夫氏らが峡谷の雄大な自然を描いた作品群に来場者が見入った。

 セレネ美術館開館30周年と宇奈月温泉開湯100周年を記念した企画となる。

 平山氏がヘリコプターで上空から取材して描いた「幻の瀧」をはじめ、最低限の線と色彩でダムの迫力を際立たせた田渕俊夫氏の「放水(黒部ダム)」、紙の裏から色を重ね、独特の深みを引き出した宮廻(みやさこ)正明氏の「三希月廻(さんきげっかい)(愛本刎(あいもとはね)橋(ばし))」など23点が披露された。

 オープニングセレモニーでは、武隈義一黒部市長が「全国に人気の21世紀美術館で黒部の素晴らしさを知ってもらいたい」とあいさつ。村山卓金沢市長が「新幹線の敦賀延伸が控える中、北陸が一体となっていく」と述べ、砂塚隆広北國新聞社社長が祝辞を贈った。セレネ美術館の中村賢一主任学芸員が解説した。

 17日まで。9、10日の午前11時と午後3時から学芸員によるギャラリートークが行われる。入場無料。

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