認定こども園で副園長が園児に虐待 大きな声で「自分は怖くない」、威嚇するような言葉…大人の男性に「拒否反応」の園児も 県が改善指導

鳥取県米子市内の認定こども園で、園児に対し、職員による虐待等の不適切な事象が確認されたとして、鳥取県は5日、この施設に対し、文書による改善指導を行ったことが分かりました。

これは、5日に開かれた鳥取県議会福祉生活病院常任委員会で報告されたもので、米子市内の認定こども園について施設内虐待の通報があり、2月13日から、児童福祉法第46条第1項に基づき特別指導監査を実施したところ、施設内虐待等の不適切な事象が確認されたため、5日に文書による改善指導を行ったということです。

文書指導の内容は「施設内虐待の発生」、「保護者との約束を順守していない」、「保護者の要請に基づく保護者会の開催をしていない」、「職員間のハラスメント事象」の4点です。

職員が園児に対し虐待を行っていると先月13日、保護者から県に相談がありました。これを受け県は園に対し特別指導監査を行い、副園長の男性が先月9日と16日に園児たちに対し「自分は怖くないんだ」と大きな声をかけたほか、28日には園に対し意見をしていた保護者の子どもに対し、威嚇するような言葉を発したことを確認しました。

これにより、複数の園児が怖い思いをしたとの発言をしていて、園児の中には、登園を嫌がる者や大人の男性に対して拒否反応を示す子どももいて、転園を希望する保護者も複数出てきているということです。

これらの行為は、園児に対する心理的虐待であり、施設内虐待であると判断されることから、即時に施設内虐待が行われない措置を講じるよう求めています。

「保護者との約束を順守していない」については、園が保護者と交わした約束である「特定の職員が園に立ち入らないこと」について遵守されていないことが複数回に渡って確認されたということで、園において更なる事実確認を行うとともに、再発防止策を講じるよう求めています。

こうした事案について、複数の保護者から保護者会を開催して説明を行うとともに保護者の意見を聞いて欲しいとの声が寄せられているものの、開催されていないとして、保護者会を早急に開催するよう求めています。

また、園の職員が他の複数の職員に対して、その面前でICレコーダーを机や床に複数回に渡って投げつけ、破壊したり、大きな声を出すなどのハラスメント行為をしたとして、事実確認や再発防止策を講じるよう求めています。

鳥取県西部総合事務所県民福祉局 安田敦 副局長
「まずはお子様に影響があったというところに対し、大変申し訳なく思います。(副園長は)一定の役目を負った方ですので、そういった面では大変憤りを感じるところ。園の内部統制をきちんとやっていただく必要があると考えています」

園には3月25日までに改善報告を県に提出するように指示していて、県は対応策の実効性を確認するため、継続的に現地調査、指導を行うとしています。

また、仮に改善が確認できない場合は児童福祉法第46条第3項に基づく改善勧告を行い、改善勧告に従わない場合は、県児童福祉専門分科会の意見を聴き、事業の停止又は施設の閉鎖を命じることを検討するとしています。

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