猫の『高血圧症』とは?症状や治療法、予防策を解説 老猫は特に要注意?

猫の「高血圧症」の症状

猫の高血圧症は人間同様、体中の血圧が慢性的に上昇することで血管や各臓器に負担を与える健康トラブルです。

猫の場合は、腎臓疾患や甲状腺機能亢進症など何かしらの病気によって引き起こされるケースが多めです。このようなケースを続発性の高血圧症と呼びます。何かの病気によって引き起こされたものでない高血圧症を原発性の高血圧症と呼び、こちらも猫に起こる可能性はあります。放置してしまうと、眼球や心臓など様々な器官に被害が発生することもあります。

ただし、猫の高血圧症は、初期症状があらわれにくいのが問題です。

猫の血圧が上昇していても見逃されてしまうことが少なくないため、結果的に長年放置されることで猫の眼や心臓、腎臓など大事な臓器に負担がかかってしまいます。そして、そのことがさまざまな病気を誘発させる危険性もあります。

特に眼球は、高血圧の影響を受けやすい部位とわれています。血圧が慢性的に上昇すると、眼球内出血や緑内障のリスクが高くなります。

猫の「高血圧症」の治療法

猫が高血圧症と診断された場合に必要な対応は、以下の通りです。

  • 血圧上昇の原因への対処
  • 血圧降下剤の投与

猫の血圧が上昇した原因となる病気の治療を進めながら、必要に応じて血圧降下剤などを投与します。

ただ、血圧降下剤の使用は、猫の低血圧を招くリスクもあります。そのため、獣医師は経過を観察しながら慎重に判断し、飼い主も投与後の経過を見守る必要があります。

猫の「高血圧症」の予防策

猫の高血圧症は人間のそれと異なり、生活習慣ではなく、病気が原因で引き起こされることがほとんどです。そのため、定期的な動物病院での健康診断が何よりも大切となります。猫の高血圧症が心配な方は、健康診断時に血圧測定も相談しましょう。

ただし、血圧は緊張しているだけでも上昇します。動物病院で猫の血圧を測定するときは、できる限り血圧を変動させないことが大切。キャリーバッグにお気に入りの毛布を入れるなど、猫が安心できる工夫を取り入れてあげてください。

老猫の「高血圧症」は特に注意

猫も高齢になるにつれ、病気の発生リスクが高まります。当然、高血圧症も例外ではありません。一説によると『高齢猫の約20%が高血圧症を患っている』とされています。

そのため、飼い猫が高齢になってきたら、血圧に関しても注意を向ける必要があります。

前述の通り老猫は高血圧以外の健康トラブルが発生しがち。年に2回は動物病院で健康診断を受けさせてあげることをオススメします。

まとめ

猫の「高血圧症」は、目立った症状が見られないため、多くの飼い主さんが見逃してしまう健康トラブルです。

しかし、高血圧症を放置すると眼や心臓、腎臓など、猫の体のあちこちに悪影響を及ぼすため、早期発見・治療が何よりも重要となります。

日常生活の中で異常に気付いてあげることも大切ですが、猫は不調を隠す生き物であるため、実際は高血圧症など病気のサインに気づかないことがほとんどです。

愛猫の健康を守るためには、やはり動物病院で健康診断を定期的に受けるのが、最も効果的な予防となります。

今回の記事を参考に、猫の「高血圧症」に備えてあげてください。

© 株式会社ピーネストジャパン