語り部として活動している「じろはったんとあそぶ会」の永野泉代表(68)=福島県伊達市在住=は2月29日、川俣町の川俣小で特別授業を行い、東日本大震災の体験や人を思いやる大切さなどを伝えた。
3年生が聴講した。永野さんは宮城県石巻市に住んでいた時、震災に遭った。津波で全壊した自宅兼店舗跡からは、児童書「じろはったん」だけが奇跡的に見つかったという。
同書は戦時中、障害を抱える「じろはったん」と戦死してしまう親友「しんやん」、家族や村人との交流を描いた物語。作品に感銘を受けた永野さんは、震災後に移り住んだ福島県で本の魅力を広く伝える活動を続けている。
永野さんは作品を紹介する映像を上映した後、自身の被災経験を語った。児童と共に犠牲者の鎮魂や平和を祈り木の葉にメッセージを記すワークショップにも取り組んだ。
(県北版)