次にビジネスマンが身につけるべきアート思考スキル!福岡でおすすめアートに触れられる場所

今月は、アブローダーが現代のビジネスマンに求められる「アート思考」のスキルを深堀りします。論理的思考だけでなく、感性や想像力を駆使して物事の本質を見つけ出すアート思考は、予測不可能な時代において臨機応変に対応するための鍵となります。福岡の隠れたアートスポットを紹介しながら、アートを通じて思考力を鍛え、美的感覚を培う方法を探求します。日常に溢れるアートから学び、ビジネスシーンでの応用まで、アートに触れることの価値を再発見する旅に出かけましょう。

アート思考を鍛えましょう。成功するビジネスマンは論理的で情報処理スピードが速いだけでなく、アート思考のスキルも備えています。アート思考とは、自分の感性や想像力を駆使して、物事の本質や可能性を見つけ出すことです。

何が起こるかわからない今の世の中だからこそ、広い視野で物事を見ることが、臨機応変に対応するための鍵となります。思考力を向上させるためにもアートを創造して自分の感性や想像力を試すことが必要です。

今回は、ビジネスマンが身に付けるべき「アート思考」のスキルを紐解きながら、美的感覚を培える福岡のいちおしスポットをまとめていきます。福岡はアート思考を鍛えるいいスポットがたくさんあります。

■ アートで思考力を鍛える

アートは思考力を鍛えることができるツールです。実際、「アートはよくかわからない」という人も少なくないでしょう。特に日本ではアートに触れる機会は少なく、小学生の図工の時間や中学生の美術の授業に意味を見出せなかった経験がある人も多いかもしれません。

ただ、アートは私たちの生活に深く関わっています。普段着る服や部屋にあるインテリア、よく聴く音楽や好きな本など全てがアートの一部です。全てがアートであり、人間の感性や感覚に訴える作品です。日常にあるモノをアートと捉えることで、感性や感覚が豊かになり、思考を深くしてくれます。

「なぜ、あの人はこの服を着ているのか?」「どうしてあのお店のインテリアはシンプルなのか?」「この音楽が流行る理由は?」「本が作られた背景は?」とアート一つ一つを深堀りして考えてみることで、観察力や感性、思想を養うことができます。

アートは想像力や創造力を刺激してくれるきっかけです。身近にあるモノ全てのアートに意味を考えるプロセスがアート思考であり思考力を鍛えることができます。

■ なぜ、ビジネスマンがアートを学ぶべきか?

ビジネス書として20万部のベストセラーとなり、Amazonの評価は星4.5で3,200を超えるレビューの山口周さんの著書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?(※)』には、世界のエリートビジネスマン達がアート思考を身につけている理由をこのように述べられています。

『なぜなら、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない、ということをよくわかっているからです。』

ビジネスシーンでは、論理的に情報を処理していくことが求められます。しかし、世の中にはロジカルに予知できない場面に遭遇することも多いです。例えば、コロナのような世界的なパンデミックや能登半島地震のような未曾有の地殻変動は予測することはできません。

目まぐるしく変化する世界情勢の中で、全てを論理的に考えることには限界があります。「次にどんなことが起こるかわからない」世の中だからこそ、広い視野で物事を俯瞰しながら臨機応変に対応することが求められます。

アートは自由に想像を膨らませながら、広い視野で物事を俯瞰して思考する能力が身につきます。だからこそ、アートのような抽象的な思考も持ち合わせておくとよいわけです。

■ デザインとアートの違いは?

デザインとアートは、どちらも表現の形ですが、その目的や方法が異なります。デザインは、世の中のニーズや課題に応えるために合理的で美しいものを作ることです。アートは、自分の感性や思想を自由に表現することです。

ビジネスの世界ではデザインの方が重要視されます。世の中が求めていることを提供することが正解だからです。みんなが欲しいと思う商品を開発したり、人が困っていることを解決するサービスを生む架け橋になるのがデザイナーです。

一方、アーティストは、自分の内面に従って、独自の作品を作ります。アーティストは、世間の評判や流行に左右されず、自分の信念を貫きます。自分の欲求を満たすような作品を作った結果、たまたま世の中に爆発的にヒットしたり大きな感動を呼ぶこともあるのがアートです。

アートに関する本で20万部のベストセラーになっている末永幸歩さんの著書、『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考(※)』にはデザインとアートの違いのおもしろさを植物に例えて表現してあります。

『「アートという植物」が地下世界でじっくりとその根を伸ばしているあいだ、「地上」ではほかの人たちが次々ときれいな花を咲かせていきます。なかには人々をあっといわせるようなユニークな花や、誰もが称賛する見事な花もあります。』

『しかし、「アートという植物」は、 地上の流行・批評・環境変化などをまったく気にかけません。それらとは無関係のところで「地下世界の冒険」に夢中になっています。 不思議なことに、なんの脈略もなく生えていた根たちは、あるときどこかで1つにつながります。それはまるで事前に計画されていたかのようです。』

■ アート思考を生き方に取り入れる

デザインとアートの違いは、人生における仕事への姿勢にも関係しています。日本では、仕事は一生続けるべきものという考え方が根付いています。終身雇用や年功序列という制度の余韻があるため、社会に貢献するために定年まで努力します。

しかし、仕事は人生の一部であって、全てではありません。自分の好きなことをやることも人生の重要な要素の一つです。仕事は自分の夢や目標を実現するための手段でもあります。

要するに、デザインのように世の中のニーズに合わせて仕事をする人もいれば、アートのように自分のやりたいことに合わせて仕事をする人もいるということです。

今の時代、どちらの生き方も自由に選べるようになりました。より自己本位な生き方を選ぶ人も増えています。アートな思考を人生に取り入れることで、より幅広い人生の選択もできるようになります。

■ 福岡は隠れたアートの街

実は福岡市は隠れたアートの街でもあります。平成元年に福岡市が発表した『福岡市文化芸術振興計画(※)』にもあるように、福岡市ではアートプロジェクトが着々と進んでいます。福岡市中央区城内にある旧舞鶴中学校をリノベーションして作られた『アーティストカフェ(※)』を始め、『Fukuoka Art Next(※)』のアートのイベントや『福岡市美術館(※)』の毎週のように開催される展示イベントなど、アートに関する施設や催しモノが整っています。

また、福岡天神イムズの跡地には、2027年開業の『エースホテル(※)』という「アートと音楽の交流場」にもなる施設がオープン予定です。「アートや音楽を軸に、趣向を凝らしたインテリアデザインや、誰もが訪れやすいパブリックスペースを掛け合わせることで、活気に溢れた創造的な空間を創出」するとのこと。宿泊者以外も立ち寄れるオープンな場所になるとのことで楽しみです。

福岡には無料で参加できるイベントや展示会、アートとの交流場として無料で利用できるスペースなど、アートを感じながら楽しめる場所がたくさんあります。福岡市はアート思考鍛えるのにも充分楽しめます。福岡はアートに触れる機会がつくりやすいいい場所です。ビジネスマンこそ、福岡でアートについて思考するのはおすすめです。

■ アートでスキルアップしよう

日常のアートを楽しむことで人生の選択肢が広がる思考力がつきます。一見、「アートは何かわからない」と思いがちですが、思考するプロセスを楽しむものだも捉えれば価値観は変わります。

普段何気なく使っているモノ全てがアートです。一つ一つのモノに意味を持たせながら、時には非合理的にムダを楽しむことに人生の奥ゆかしさを見出すことができます。

次に何が起こるかわからない時代だからこそ、論理や理性では判断できない抽象的でゴールがないアートについて考える時間を作ることも必要です。

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