再び紅白の大舞台にも... 個性豊かな新世代メンバーが描く「SKE48」の未来像【インタビュー】

SKE48は2023年10月に15周年の節目を迎え、グループとしてもメンバー個人としても、さまざまな方向性を模索している。グループとしては大規模会場でのコンサート開催や地上波での全国放送出演を目指す声があがる一方で、個人の活動としては、ラジオ番組やモデル、美術展の出展、大学生とアイドルとの「二足のわらじ」など、活躍の幅は広い。

たとえば新曲「愛のホログラム」(2024年2月28日発売)でセンターポジションを「続投」している末永桜花さん(22)は、48グループ屈指の「鉄道オタク」としても知られ、鉄道関連のメディア露出も多い。インタビューの後半では、末永さん、北川愛乃さん(23)、野村実代さん(21)、原優寧さん(22)4人に、今後の展望や目標について聞いた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

移動やスキマ時間を活用してアイドルと大学生を両立

―― 末永さんは鉄オタとしても知られています。24年1月には、朝日新聞の記事で四日市あすなろう鉄道(三重県四日市市)のナローゲージ(編注:レールとレールの幅がJRなどの「狭軌」よりも狭い762ミリの線路。特殊狭軌)を紹介していました。最近で、特にお勧め鉄道はありますか。

末永: ナローゲージを実際に初めて見て、やはり特殊狭軌はなかなかお目にかかれないので、ちゃんと間近で見て...。レトロな音を聞けて楽しかったです。なかなか乗ってくる方が少ないと聞いたので、もっと多くの方が乗ってくれたら嬉しいですし、私もそのお手伝いができたらと思いました。

―― 意識的に「乗り鉄」しないと乗り逃したり、気が付いたら廃止になったりすることもありますからね。

末永: そうなんです、だから鉄オタの方は見に行ってほしいです。

―― MV撮影で「緊張した」エピソードに関連して、もうひとつうかがいたいです。この中では原さんが大学生だと思いますが、大学入試のときは緊張しましたか。今日(1月13日)ちょうど大学共通テストが始まり、新曲が出る頃は国公立大の2次試験のシーズンです。受験の時に心がけたことや、どうやってアイドルと大学生を両立しているかについて聞かせてください。

: (共通テストの前身の)センター試験は、本当にギリギリまで勉強しました。それこそ地理では、ギリギリで見ていた地図のページがちょうど出て、運よく点数取れた、ということもありました。本当に最後まで諦めずに頑張ることが大事だと、受験勉強では思いました。アイドルとの両立では、そうですね...、建築を学んでいるのですが、めちゃくちゃ大変です。でも、この仕事は待ち時間も結構多かったりするので、そこでいかに課題を進めるか。そういうスキマ時間をうまく利用して...ということが多いですね。

―― 九州の大学に通っていると聞きました。移動時間をどう活用するかもカギになりそうですね。

: 九州と名古屋なので、もう通学というレベルではない時間をかけて通学しています。その時間に課題をしたり、レッスン後の移動であればレッスンの振りV(振り付けを収めた動画)を見て復習したり...といった具合に活用しています。

九州と名古屋、愛知の架け橋になるような仕事を

北川愛乃さん

―― 23年10月に12期生がお披露目された際、最年長の高村紗弥 (たかむら・さや)さん(19)が、特技のひとつに「解剖」を挙げていたのには驚きました。大学では理学部に通っていて実習もあるそうですが、個性豊かなメンバーが増えるのは楽しみです。12期生のお披露目があったのは、15周年記念コンサートでした。15年というのはひとつの節目でもありますが、16年目以降の目標のようなものがあれば、聞かせてください。

末永: グループとしては、大きな会場でコンサートがしたいというのがあります。須田(亜香里)さん(32)や古畑(奈和)さん(27)の卒業コンサート(22年9月)を日本ガイシホール(名古屋市南区、最大で1万人収容可能)で開いて以来、1年ちょっとガイシホールに立てていないので、それぐらいの大きい規模のところで、またみんなで一つのステージを作り上げていきたいです。個人としては、たくさんの地上波の番組に出たいと思っています。名古屋の番組...欲を言えば全国放送ですが、メンバーみんなと歌番組に出るのも、もちろん目標です。

: 私は地元・福岡でライブがしたいです。23年はサマーツアーで初めて福岡に行ったのですが、福岡の方で「ちょっと来てみたけどSKE48にはまっちゃった」と言ってくださる方もいましたし、地元に帰ってSKE48として頑張っている姿を、また福岡にいる方に見てもらえたらと思っています。

―― 自分は福岡市生まれということもあって、比較的(福岡市が拠点の)HKT48はウォッチしているつもりですが、SKE48にも結構九州出身者はいますね。原さん以外にも、井上瑠夏さん(22=熊本県出身)、池田楓さん(23=長崎県出身)、谷真理佳さん(28=福岡県出身)。サマーツアーの会場になったZepp Fukuoka(中央区)は、HKT48劇場(同)から徒歩5分ぐらいの至近距離にあります。名古屋のグループが福岡のグループのおひざ元に乗り込んでいく感じ...というのは言い過ぎかもしれませんが、福岡でもファンを増やしたい、ということですね。

: 九州出身メンバー4人で担当しているラジオ番組「SKE48のドリームクルーズ」(CBCラジオ)では、九州のいいところを発信しています。このような、九州と名古屋、愛知の架け橋になるような仕事を24年も頑張れたらと思います。

―― 九州は遠いようで、あんまり遠くない気もしますね。でも新幹線だと博多-名古屋で3時間20分かかりますが...。

:通学できる距離ですから...!

レギュラー番組出演で「強みができて自信に」

原優寧さん

北川: 私も、メディアにもっとSKE48が出て、色々な方に知っていただきたいというのは、いつも感じています。歌番組、特にNHK紅白歌合戦には出てみたいですし(編注:AKB48としての出場を除けば、SKE48は12~14年にかけてNHK紅白歌合戦に出場。14年はNMB48と同じ枠での出場だった)、私たちもさらにスキルアップして、見ていただいたときにはファンの方をつかめるように、メンバー自身も頑張らなきゃ、と思います。個人としての夢は、23年に目標に掲げていたソロ公演が実現できなかったので、24年こそは絶対叶えたいです。23年は自分の夢をあまり発信できていなかったし、自分自身もできることをやりきれていなかったと思うので、24年はいっぱい発信しつつ、自分でできることを見つけて頑張ろうと思っています。

―― 絵を描くのが得意だとうかがいました。

北川: 23年は「文化人・芸能人の多才な美術展2023」に出展させていただいたり、お仕事もいただくことが多いので、個展を開くことも目指しています。そして舞台にも取り組んでいきたいです。「義経千本桜~源平天外絵巻~」でヒロイン役をさせてもらえて、改めて舞台の楽しさを感じたので、24年も1作は絶対出たいと思っています。

野村: これからSKE48が頑張っていかなくちゃいけないなと思っているのは、1人1人の名前を売ることがすごく大事だな、ということです。歌番組に出たときに、「誰々ちゃんだよね」と言われる子が1人でもいれば、それがきっかけでファンになってくださる方も多いと思います。桜花さんを筆頭にみんなの名前を...みんな引っ込み思案ないい子なので、24年は、少し「自分が自分が」という気持ちを強く持って活動できたらと思っています。そうすることで、どんどんグループが大きくなっていくと思います。私が個人的にやりたいことは、モデルの活動が増えればいいなと思っています。雑誌に載るのもそうだし、ランウェイを歩いたり...。SKE48の内側だけではなく外側でも、いろいろなメンバーが個性を爆発させて活動できたら、先につながっていくものがあると思います。

―― 確かに個人の名前とひもづくと、かなりファンに与える印象も変わりそうですね。野村さんは23年4月から「KORE-SUKI !RADIO」(TOKAI RADIO)にレギュラー出演しています。反響はいかがですか。

野村: 思ったよりもたくさんの方が聞いてくれているみたいで...!地上波のラジオなので、数万という規模の方が聞いてくださっているそうです。お便りを送ってくれたり、頻繁にアクションを起こしてくれるのは私のファンの方がもちろん多いのですが、その中でも「初めてお便りを送ります」という方もいらっしゃいました。私はだいたい自分のファンの方は認知している(顔と名前が一致する)のですが、知らない名前の方からお便りをいただけると、いろいろな発見になります。レギュラーのラジオ番組を持って、ひとつ強みができたことが自信につながっています。これからも長く歩みを続けていけたらいいと思っています。


末永桜花さん プロフィール
すえなが・おうか 2002年生まれ、愛知県出身。15年に7期生としてSKE48に加入。Team E、派生ユニット「SKE48 プリマステラ」メンバー。20年、23年にソロコンサートを開いた。前作「好きになっちゃった」(23年7月発売)に続いて2作連続でシングル曲のセンターポジションを務めている。

北川愛乃さん プロフィール
きたがわ・よしの 2001年生まれ、大阪府出身。16年に8期生としてSKE48に加入。チームSメンバー。愛称は「よこにゃん」。

野村実代さん プロフィール
のむら・みよ 2003年生まれ、愛知県出身。16年に8期生としてSKE48に加入。Team S、派生ユニット「カミングフレーバー」メンバー。「KORE-SUKI!RADIO」(TOKAI RADIO)にレギュラー出演中。愛称は「みよまる」。

原優寧さん プロフィール
はら・ゆうね 2001年生まれ、福岡県出身。22年に11期生として加入。11期生では最年長で、九州の大学に通いながら建築を学んでいる。

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