輪島塗の職人が講演 被害の実態を訴える

能登半島地震では伝統工芸の輪島塗の現場や職人も大きな被害を受けました。その実態を知ってもらおうと、秋田市で講演会が開かれました。輪島塗の職人の男性は「このままでは廃業する職人が相次ぎ輪島で培われてきた大切なものが消えてしまう」と訴えました。

講演会は能登半島地震の被災地の現状を知ってもらい災害が起きた後のその土地の伝統工芸のあり方などを考えようと担い手でつくる団体と秋田市文化創造館が開きました。能登の現状を語ったのは輪島塗の塗師、赤木明登さんです。

輪島塗の現場や職人も大きな被害を受け輪島から避難した職人も多く、赤木さんは窮状を訴えるとともにこれからに抱く強い危機感を語りました。

塗師の赤木明登さんは「職人たちはすごく零細で、高齢化もしている。そういう人たちは今回の地震で住むところと仕事場を失っている。そのまま廃業してしまう人たちが多いというのは今回の地震の現実で、ほったらかしにしておとくと輪島で培われてきた大切なものが消えてしまう。そういう職人さんたちの仕事を再建するのを助けていきたい」と話しました。

地震など大災害が起きればその土地の伝統工芸の継承が危ぶまれる状況が一気に生まれます。講演会を主催した団体は災害と伝統工芸について多くの人に考えてもらい支援の輪が広がるきっかけになればと話しています。

© 株式会社秋田放送