文化財をVRで記録 活用へ

社会のデジタル化が進む中で仮想現実=VRなどの市場は急速に成長しています。特に建設業界ではイメージの共有や業務の効率化につながることから導入が進んでいます。こうした中、大館市の会社が新たな取り組みを始めました。

埼玉出身で子育てをきっかけに妻の地元・大館市に移住した奥村裕之さん。2019年に大館市に立ち上げた会社「スリー」は市場が急拡大しているVRや拡張現実AR分野の技術開発を手掛けています。

事業の成長性や現実性などが評価され、これまで、秋田銀行が主催するビジネスコンテストで優秀賞に選ばれるなどしてきました。

今回、新たに手掛けたのが県内の文化財を立体撮影して資料として残すデジタルアーカイブのサービスです。建物の外観はもちろん部屋の一つ一つをはじめ施された意匠も忠実に記録します。

奥村さん「VRを使いつつ、PRとして使うとか、またもしかするとバーチャルツアーとしてそれを販売するとかですねそういったいろいろな融合性というか可能性があるかなと」

実際に足を運ばなくても視覚的にその空間を体感できるだけでなく文化財の継承や保存さらには災害から復旧する際など様々な活用が期待されています。

奥村さん「360度のデータがある程度残っていると復元しやすいというところもありますし。看板があったねとか細かい配置だったりは図面には残っていかないので、こういったところはやっぱり写真だったりとか、別の形で残しておくということが大事なんではないかなと。」

奥村さんは人口減少が進む秋田だからこそ貢献できる場面が増えるのではないかとみています。

奥村さん「本当にいろいろな使い方ができると思っていて。海外とかだと火事の現場をVRで撮影して検証を行って効率化するとか秋田だったら何ができるだろうとかそういうところはまだ掘り切れていないので」

可能性が広がる仮想現実=VRの世界。これまでに大館市の鳥潟会館や秋田市の旧松倉家住宅など5つの文化財をデジタルアーカイブ化していて先月からインターネット上で公開されています。

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