千原せいじ「裏金問題の政治家に物申す!」署名活動を開始、忌憚ない発言のウラに“国との仕事ゼロ”の現在

報道番組で身につけた知識から積極的に発言する千原せいじ

千原兄弟・千原せいじが提起した「国会議員の公正な納税を求める」署名活動が、7000筆を超える支持を集め、注目を浴びている。

せいじは3月1日、オンライン署名サイト「Change.org」にて『【千原せいじ】国会議員の公平、公正な納税を求める。』と題した署名活動を開始。3月5日時点で、7300筆以上の賛同を集めている。

この署名活動は、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて始まったもの。きっかけは、鈴木俊一財務大臣が2月22日の衆議院予算委員会で、裏金を受け取った議員が納税する必要があるかどうか問われた際、「疑義が持たれた政治家が政治責任を果たす、そういう観点から(議員個人が納税をするかどうか)判断されるべきものであると思う」と述べた答弁にある。

憲法で国民の義務として納税が明記されているにもかかわらず、この答弁は政治家だけが納税を個人の判断でおこなえるかのような印象を与え、特別扱いであるとして批判が広がった。SNS上では「納税は個人の自由だったのか」との声も上がり、確定申告の時期と重なって、2月26日には「#確定申告ボイコット」が「X」のトレンド入りする事態に。

そうしたなかで、「Change.org」での投稿において、《「自身が納税する分の半分は通常通り納め、残りは渦中の議員がきっちり納税した後に支払う」というシステムを考えてみてはどうでしょうか》と提案したせいじ。

続けて、《政治家たちが自ら模範となって正しく納税すべきです。これによって一般国民も安心して納税することができます》と問題提起し、《この署名活動ではその実現を目指します。署名してください、そしてこの提案を国会へ届けましょう》と署名を呼びかけた。

3月2日には、自身のTikTokを更新。署名活動を開始する前に収録した動画を公開し、「ちょっとどれぐらい来るかやってみる? 国民の気持ちはこういうことですっていう」と語っている。

国民の声を代弁するせいじの署名活動に対して、SNS上では政治家への不満の声が寄せられた。

《これで何が変わるか解らんが、少しでも行動せんとクソ政治家共は何も変わらんやろ》

《結局政治家は脱税してるという話 勢いで署名してしまった》

また、「Change.org」のコメント欄には、多くの賛同の意見が書き込まれている。

《議員は報酬もいいし、手厚いさまざまな経費の補助等、すごく優遇されてるのに、平気で脱税や使い込み&住所移動などで税をごまかしてる… めちゃめちゃ収入の少ない私たちに増税を押し付けるのも、すべての議員がきちんと支払った後にしてよ!》

《国会議員にこそインボイスを! 全ての領収書を! 出来ないなら、政治資金にも課税を! 国民のためにならない議員はいらない!》

《他の裏金抗議署名にも署名済ですがこちらにも署名します。際限なく増長した自民党はそのツケを払うべきです》

近年、政治家へ“物申す”発言が目立つせいじだが、芸能プロ関係者は「以前は国の仕事に協力していました」と話す。

「文化放送と吉本興業は2016年、東北地方の伝統工芸品の魅力と技術を若者を中心に全国へ発信することを目的に、『文化放送×よしもと住みます芸人“新しい東北”職人技プロジェクト with 復興庁』という企画を立ち上げました。このとき、せいじさんはイベント参加にとどまらず、企画に関連したラジオ番組のパーソナリティを務め、『国の仕事をすることがないのでうれしい。これで銀行もお金を貸してくれるかも』と嬉しそうに発言していたんです」

しかし、あるテレビ番組への出演が思想を変えるきっかけとなったという。

「吉本興業が政府の事業を請け負っていることもあり、せいじさんは国の仕事に積極的でしたが、現在はゼロ。政治家批判も言いやすい立場にあります。とくに政治的な発言が増えたのは、2021年から『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(朝日放送)への出演回数が増えたことがきっかけです。この番組では政治ネタが多く取り上げられ、自民党の批判もしばしばあります。そこで得た知識をもとに、せいじさんは発言しています。

もともと、考えていることをすぐに口にする性格で、それが国民の声を代弁しているように感じられるため、多くの賛同を集めているのです」(同前)

果たして、せいじの署名活動は、国を動かすことになるのだろうか。

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