高齢者に食事を配達、支援充実の一助に 中国上海市

高齢者に食事を配達、支援充実の一助に 中国上海市

ウーラマの本部ビル。(1月4日撮影、上海=新華社記者/許暁青)

 【新華社上海3月5日】中国上海市松江区新橋鎮の社区(コミュニティー)住民向け食堂ではこのところ、入り口に青い制服を着た人たちが集まっている。ネット出前サービス「餓了麼(ウーラマ)」の配達員だ。

 ウーラマは昨年秋に同鎮で食事配達の試験運用を開始。地方政府からの補助金や優遇措置を受け、配送区域で登録した高齢者に食事を届けており、住民約2千人がサービス対象となっている。

 今年2月には中国工業情報化部傘下のシンクタンク、中国信息通信研究院と共同で「デジタル技術高齢化適応サービス刷新計画」を立ち上げ、食事支援を巡り緊密な連携を図った。また全国千カ所の社区でデジタルを活用した食事支援の情報共有や介助訓練、高齢者向け講座なども実施した。

高齢者に食事を配達、支援充実の一助に 中国上海市

ウーラマ本部の展示エリアに並ぶスマートヘルメット。(1月4日撮影、上海=新華社記者/許暁青)

 中国人民政治協商会議(政協)全国委員会の周漢民(しゅう・かんみん)常務委員は、中国の介護産業とデジタル化が結び付いた場合の巨大な潜在力を表すデータであるとの見方を示し、介護サービス制度拡充の必要性を訴えた。

 ウーラマには300万人近い配達員が登録しており、うち約100万人が月間アクティブメンバーとなっている。郭力(かく・りき)副総裁は、デジタルプラットフォームの配達員が社区の高齢者や独居者、子どもの独立後に夫婦のみで生活する人、要介護者などに栄養価の高い食事を提供することで高齢者向け食事支援の速度とサービスの質を大幅に向上できると語った。(記者/許暁青、李平)

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