「ゾーン30プラス」の運用開始 津山、速度規制+横断歩道高く

「ゾーン30プラス」を知らせる道路表示=津山市山北

 岡山県警などは、車の最高速度を時速30キロに規制する「ゾーン30」に、減速を促すハード対策を組み合わせた「ゾーン30プラス」の運用を5日から始めた。津山市山北地区を対象区域とし、市道の横断歩道部分を盛り上げて高低差による速度抑制を図る。県内での設置は初めてで、登下校中の児童らの安全確保につなげる狙い。

 津山市立東小の西側にある市道の横断歩道を「スムーズ横断歩道」として路面から最大10センチ隆起させ、えんじ色でカラー舗装した。周辺にはゾーン30プラス区域であることを示す看板15基を新設した上で、横断歩道の手前にも新たな路面表示を施し、ドライバーらに注意喚起する。

 2021年9月に同じ場所で約1カ月間試験運用した結果、横断歩道で歩行者のために一時停止したり、より手前で減速したりする車の割合が増えたことから本格導入を決めた。

 県警によると、ゾーン30は通学路など県内51カ所で指定されているが、速度超過の車が後を絶たない現状がある。ゾーン30プラスは道路幅を狭めたり、路面を盛り上げたりすることで構造的に速度抑制を図る仕組みで、21年に千葉県で起きたトラックによる児童死傷事故を受け、警察庁などが全国で導入を進めている。

 岡山県内での他地域への導入については現時点で未定。県警交通規制課は「地元住民の要望があれば、道路管理者らと協議し、整備を検討したい」としている。

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