ベネッセHDのMBO成立 上場廃止へ、事業立て直し図る

ベネッセHDの本社。MBOの成立で上場廃止となる見通し

 教育大手・ベネッセホールディングス(HD、岡山市北区南方)は5日、経営陣が参加する自社買収(MBO)が成立したと発表した。MBOのための特別目的会社が4日まで行った株式公開買い付けに、議決権ベースで70.21%に当たる6773万8016株の応募があった。4月下旬~5月中旬ごろに開く臨時株主総会を経て、東京証券取引所プライム市場から上場廃止となる見通し。

 MBOは、福武英明取締役ら創業家とスウェーデンの投資ファンドEQTが共同で実施。EQT側が特別目的会社を設立し、同HD保有分を除く発行済み全株式の49.56%(4781万8900株)を下限に1株2600円で1月30日から買い付けを行った。買い付け総額は約1760億円。

 決済開始日の今月12日付で、特別目的会社が同HDの親会社となる。さらに臨時株主総会を開くなどして、今回応募しなかった株主から株式を強制的に買い取るための手続きを進め、同HDを完全子会社化する。一連の手続きにより、同HDは上場廃止基準に該当することになる。

 ベネッセは「こどもちゃれんじ」「進研ゼミ」といった主力の通信教育講座の会員数が減少。株式非公開化により、少数株主の意向を意識した経営から脱却し、長期的な視点や迅速な意思決定が可能になる。教育分野での投資実績が豊富なEQTの知見も取り入れ、事業の立て直しを図る。

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