吉井川水系 渇水タイムライン策定 水利用協議会、対策を時系列で

 吉井川水系で水不足になった場合の対策を時系列で示す「渇水対応タイムライン」が5日、流域自治体や企業でつくる水利用協議会(事務局・国土交通省岡山河川事務所)の会合で決定した。旭川、高梁川の両水系は既に策定しており、岡山県内三大河川全てで行動計画がそろった。

 岡山市内で開かれた会合で事務局案が了承された。貯水状況に応じて渇水発生前▽準備期▽渇水調整期▽異常渇水期▽危機的渇水期―の5段階に区分し、各段階で節水の呼びかけや給水活動などの対応を河川管理者、上水道事業者といった関係機関別にまとめた。

 取水制限は流域の主要3ダム(苫田、津川、八塔寺川)と2堰(せき)(新田原井、坂根)の合計貯水量の約8割を占める苫田ダム(鏡野町)の貯水率50%を目安とすることとし、その後は主要ダム・堰の合計貯水率に基づきカット率を変動させる。

 2月28日まで3カ月以上にわたって取水制限が続いた高梁川水系でもタイムラインに基づく対応が取られた。協議会長の垣原清次・岡山河川事務所長は会合後の取材に「気候変動で渇水のリスクは高まっている。各機関が適切なタイミングで対応できるよう周知、活用を図りたい」と話した。

© 株式会社山陽新聞社