一枚の紙から小説を切り出す神業作品が話題です。
切り絵作家の梨々さん(@ririkirie )がX(旧Twitter)に自身の切り絵作品を投稿したところ、11万件を超える「いいね」が集まりました。
「凄すぎて言葉が出ません……」「後世に残したいアート作品」「3度見ぐらいしました」と大きな反響が寄せられています。
「切り絵で小説を創っています」の言葉とともに投稿された3枚の写真!
何やら細かい筋がたくさん並んでいるように見えますが……。
この写真、よくよく拡大してみると?
「桜の樹の下には 梶井基次郎」
「赤い蝋燭と人魚 小川未明」
なんと、梶井基次郎の小説『桜の樹の下には』、そして小川未明『赤い蝋燭と人魚』の冒頭が一字一句違うことなく切り出されています!!!
こちらは9歳で切り絵を始め、17歳で個展を開いて以降切り絵作家として活動している梨々さんの作品の一つ、 “小説切り絵”。
文章はもちろんのこと、小説からイメージするイラストなどが細かくデザインされ、視覚的にも美しい作品に仕上がっています。
たった一枚の紙に小説を切り出すなんて!
ハッと息を呑むほど信じられない神業です。
BuzzFeedは、梨々さんにお話を聞きました!
――切り絵を始めたのは9歳とのことですが、きっかけはなんでしょうか?
小学校の国語の教科書で『もちもちの木』を見て切り絵を知り、面白いなと思い始めました。
――なぜ小説を切り抜こうという発想に至ったのでしょうか?
言葉や日本語、文字が好きだったので、好きな物語を表現しようと思いました。
それを切り絵に落とし込めたらと思い、制作を始めました。
――下書きやテーマ決めなど、制作にはどのぐらいの時間がかかっているのでしょうか?
・作画ラフ案5〜30時間(何パターンかラフを書き、下書きをする)
・原案作成7〜24時間(文字のデザインやイラストの本書き)
・切る工程で100〜150時間
合計すると200時間以上かかっています。
大きめの作品は1ヶ月くらいかけています。
――作品のこだわりポイント、また、制作時に最も大変なことや心掛けていることを教えてください。
ページから文字が浮き出て触れられるような、現実と非現実の狭間のような作品にしたいと思い、そのような雰囲気になるよう心がけて制作しています。
切り落とさないように集中することもそうですが、どうすればその文書に見合う様な表現になるかと、考え続けるのが大事だと思っています。
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「制作する小説のテーマは強く感情を揺さぶられたり、好きなものを題材にすることが多いです」
と話す梨々さん。
過去には太宰治の『人間失格』、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』などの小説も切り抜きました。
梨々さんの作り出す心ときめく作品の数々、ぜひSNS からチェックしてみてください✨