リゾット缶備蓄食に 岩手県内全域普及目指す 奥州・岩谷堂高生徒4人

岩谷堂高校生が業者と共同開発したリゾットの缶詰を備蓄食として普及させるプロジェクトに取り組む生徒=奥州市役所本庁舎

 県立岩谷堂高校総合学科生物生産系列1年の女子生徒4人は、先輩が卒業研究として開発したリゾットの缶詰を災害時などに役立つ備蓄食として普及させるプロジェクトに取り組む。その手始めとして5日、奥州市水沢大手町の市役所本庁舎1階ロビーで販売会を開催。売れ行きは上々で、2024年度からの県内全市町村での開催へ向け、幸先が良いスタートを切った。

 この缶詰は23年度の卒業生が、22年度の卒業生の卒業研究を引き継ぎ、岩手缶詰(本社釜石市)と共同で開発し、昨年10月に同校の文化祭で初めて販売。24年度に、この缶詰を備蓄食として普及させるためのプロジェクトが本格化する。

 プロジェクトのリーダーは「リゾットなので水分も取れるし、栄養満点で、温めなくてもおいしく食べることができるように、災害時の非常食としても工夫されている」とPRし、奥州市を皮切りに県内全33市町村で開く販売会への意欲を見せた。

 缶詰は野菜のうま味を凝縮した鶏肉入りの「コンソメのリゾット」と、ウズラの卵とキクラゲが入ったピリ辛味の「中華風のリゾット」、豆3種が入った「トマトのリゾット」の3種。いずれも価格は税込みで1缶(275グラム入り)500円。

 同校では、同日の缶詰と菓子類などの売り上げの一部を能登半島地震の災害義援金に充てることにしている。

© 岩手日日新聞社