『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』津田健次郎インタビュー

「普段は人を殺したりするハードな作品に出ることが多いので(笑)、こういった子どもが見る作品に出られるのがすごくうれしかったです」

アニメ「呪術廻戦」(20~21年、23年)の七海建人役や「ゴールデンカムイ」(18年、20年、22~23年)の尾形百之助役など数多くのアニメに声優として出演する傍ら、俳優としてドラマ「グレイトギフト」(テレビ朝日系)の郡司博光役や、3月8日公開の『映画 マイホームヒーロー』の志野寛治役など実写作品でも活躍する津田健次郎。そんな彼が、3月20日公開の『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』にキンモク先生役で出演。苦労人で繊細なキンモク先生に、共感しながら演じたと話す津田。作品の根底に流れる深いテーマ性にも触れながら、「おしりたんてい」やキンモク先生の魅力に迫った。

――元々「おしりたんてい」はご存じでしたか?

「はい。きっかけはうちの子どもがアニメを見ていたことで、“変わった作品をやっているな”と思って一緒に見るようになりました。ストーリーがすごく工夫されていて、物語が進む途中に“これはいくつありますか?”と問題が出されるなど、子どもの興味を誘う工夫がすごくされています。非常にコミカルで笑える、けれどもたまにいい話が出てきて、本当によくできていて。面白い作品があるものだなと思いました」

――おしりたんていはキャラクター性がすごいですよね。

「最初は、顔がおしりって“どういうこと?”って(笑)。でも、大人の疑問を全てフッ飛ばすような、勢いや突き抜けた感じがあって、そこが子どもに刺さる面白さにつながっていると思いました。“細かいことはいいんです。そういうことよりも、面白いでしょ!”と、全てを凌駕する説得力があります。ブラウンもかわいいですね。おっちょこちょいで、とてもキュートでほっこりするキャラクターだと思います」

――その「おしりたんてい」に参加することが決まった時は、どんな印象でしたか?

「普段は人を殺したりするハードな作品に出ることが多いので(笑)、こういった子どもが見る作品に出られるのがすごくうれしかったです」

――津田さんが演じられたキンモク先生は、どんな役柄ですか?

「優しい一面もあれば、怒りをあらわにする激しい一面もあって。基本アーティストで、とても繊細な方だと思いました。繊細な方というのは感受性が強くアンテナがビビッドで、ポジティブなこともネガティブなことも人より多くキャッチしちゃうんじゃないかと思います。だからこそ、人より多く優しさを出せるし、その分、歯車が狂うと人より多く怒りを抱えてしまいます。基本、優しさと怒り、ポジとネガは表裏一体かなと思っています。その振り幅が普通の人より大きいキャラクターかなと。だから、裏返ってしまった時、ダークな一面が出てしまうのだなと思います」

――そうしたキンモク先生を演じる上で、何か意識した部分はありますか?

「お芝居に関しては、まずやってみてという感じで、割とスムーズでした。監督からもすぐOKが出たので、特に何かで苦労したこともなかったです。スイセン役の仲里依紗さんの声が入ったものを見た時は、すごくスッと入ってきて、何の違和感もなく役に寄り添ってお芝居をされている仲さんの演技がすごくすてきでした。おしりたんてい役の三瓶由布子さんとは共演も多いのですが、いつもはどちらかという少年っぽい役をやられていることが多いので、いつもの三瓶ちゃんとは違う大人っぽい感じで、幅広いなって思いました。まだ話をしていませんけど、どこかで会った時に『おしりたんてい』について話したいと思います」

――キンモク先生は、元々画家を志していて、それがかなわず生きるために贋作を手がけるようになります。キンモク先生のどういう部分に共感しますか?

「僕も若い頃は、なかなか自分の芝居を見てもらえなくて悔しかった経験があります。勉強して、めちゃくちゃ頑張っていろんな稽古をしたんですけど、肝心のお芝居を見てもらえない。そういうところでの鬱屈みたいなものは、しこたま抱えていたので、キンモク先生の気持ちにはすごく共感しました。会社で働いている人でも、不条理にさらされることはたくさんあると思います。そういう意味では、どんな大人でもとても共感できるキャラクターだなと思います」

――「若い時の苦労は買ってでもしろ」と言われますが。

「僕もバイトはたくさんやりましたね。接客は向いていないと思っていて、なるべくそれ以外で工場の仕事とかテレアポとか、片っ端からやっていました。でも、そういう経験がのちに力になるのは確かです。何か目的や目標があって、それに伴う苦労はバンバン経験したほうがいいんじゃないかと思います」

――映画では、偽物か本物か、どちらがいいのかという難題も投げ掛けられます。

「はい。そういう部分で、台本を読んだ時はドキッとしました。映画では絵画がモチーフになっていますけど、僕が初めてゴッホの絵の実物を見た時は、本とかではめちゃめちゃ見ていたものの、あの立体感はとても衝撃でした。重ね塗りによって絵画よりも彫刻に近いと思ったほどで、あの立体的な重ね塗りからは、ゴッホの執念を感じました。あそこまで立体になるくらい重ね塗りをしてしまうゴッホの執念というのは、本物を見ないと絶対に伝わらないものだと感じます。ただ、ボーカロイドや初音ミクのように、バーチャルがリアルを超えることもあって。何をもって本物とするか、どちらがいいかは、一概には言えません。まずはそれぞれが体感した中でいろいろ感じたらいいんじゃないかと思います。映画もそうで、近年はネット配信も増えていますが、せっかくですから映画館で楽しんでほしいですね。音響も全然違うし、没入感が全く違います。今回の作品も、まずは劇場でぜひ見ていただきたいです」

【プロフィール】

津田健次郎(つだ けんじろう)

6月11日、大阪府生まれ。O型。声優として、アニメ「メタリックルージュ」(フジテレビほか)、「戦国妖狐」(TOKYO MXほか)、俳優として、ドラマ「グレイトギフト」(テレビ朝日系)に出演中。3月8日に「映画 マイホームヒーロー」が公開。

【作品情報】

「映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ」
3月20日全国ロードショー
配給:東映

大ヒット児童書シリーズの劇場版長編第2弾。キンモク先生(津田)に育てられたかつての相棒・スイセン(仲里依紗)からメッセージを受け取り、美術館に向かったおしりたんてい(三瓶由布子)と助手のブラウン(齋藤彩夏)。彼らに、巨大な秘密組織が関わる事件が立ちはだかる。

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取材・文/榑林史章 撮影/Marco Perboni ヘアメイク/浅津陽介 スタイリング/小野知晃(YKP)

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