米国務長官、ガザ人道支援「緊急行動必要」 イスラエル前国防相と会談

[ワシントン 5日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は5日、イスラエル戦時内閣メンバーのガンツ前国防相と会談し、パレスチナ自治区ガザに一段の人道支援を届けるためにイスラエルは緊急的に行動を起こす必要があると「率直に」伝えた。国務省のマシュー・ミラー報道官が明らかにした。

ミラー報道官は記者会見で、イスラエルの閣僚がガザ地区への小麦粉の輸送を妨害したり、ガザ地区への援助を妨害するデモ隊を支援したりしているのを米政府は承知しているとし、米国はそのような行為について指摘してきたと述べた。

また、米政府はイスラエルがガザ地区に通じる新たなルートを開通させることを望んでおり、実現に向けイスラエルと直接交渉していると明らかにした。ブリンケン長官はガンツ氏との会談でこの点も取り上げたとしている。

その上で、ガザ地区の人道状況は「恐ろしい」状態になっていると指摘。「ブリンケン長官は現地の深刻な状況や、一刻も早く支援物資を届けるために関係者全員が一段と取り組まなければならないことについて極めて率直に語った」と述べた。

ガンツはブリンケン長官との会談後、記者団に対し「極めて良好な会談だった」と述べた。それ以上の詳細については語らなかった。

ミラー報道官によると、両氏はイスラエルとイスラム組織ハマスとのパレスチナ自治区ガザにおける6週間の停戦合意に向けた取り組みについても協議した。

ミラー報道官は、ガザ停戦合意への障害は克服できないものではないとし、米国の見解ではイスラエルとハマスとの間で合意に達することは可能と述べた。

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