Travis Japan、グローバル活動が現実に 北米だけでない、アジアでも高まる注目

Travis Japanが2月28日にタイで『Road to Thailand』、3月3日に香港で『Road to Hong Kong』と題したイベントを開催した。このイベントは、2月12日に配信リリースされた全編英語詞のアルバム『Road to A -Global Edition-』の現地ショーケースとして行われたもの。イベントの会場は、タイのセントラル・ワールド、香港のAIRSIDEで、それぞれ国内最大級の巨大複合商業施設だ。メンバー7人は、現地のメディアに向けてインタビューに応じ、抽選で当選した現地ファンに向けてパフォーマンスを披露した。

タイでのプロモーションとして、Universal Music ThailandのYouTubeチャンネルでグループの紹介と共にイベントの告知が行われた。当日の模様は、Travis Japan公式Instagramに加え、Universal Music ThailandのInstagramとTikTokでも公開され、インタビューやアルバム収録曲「LEVEL UP」「Okie Dokie!」のパフォーマンスを披露する姿に加え、現地ファンと交流する様子がダイジェストで映し出されていた。さらにUniversal Music ThailandのInstagramでは、タイの女性グループ MXFRUIT、Wizzleとのコラボ動画も公開。香港でのプロモーションとしては、Universal Music Hong KongのInstagramに加え、イベント会場となったAIRSIDEのInstagramからも告知された。当日の模様は、Travis Japan公式Instagramをはじめ、AIRSIDEのInstagramのストーリーでも一部公開され、多くの現地ファンが声援を送る姿が見られるなど、非常に盛り上がった様子が伝わってきた。

Travis Japanにとって、タイは初、香港は2022年に大型音楽イベント『UNIK ASIA FESTIVAL 2022』に出演して以来の訪問となった。現在Travis Japanは、日本国内にて8都市30公演を回る全国ツアー『Travis Japan Concert Tour 2024 Road to Authenticity』の真っ最中だ。また、バラエティ番組でブレイク中の松田元太など、個人でも多くの仕事を抱え、全員が極めて多忙な中で、2カ国にわたるプロモーションイベントを実現した。リーダーの宮近海斗にいたっては、バラエティ番組『ラヴィット!』(TBS系)に1~3月の「ラヴィット!ファミリー」金曜担当としてレギュラー出演しており、タイと香港のイベントの間に一時帰国して番組に生出演したほどだ。

2022年に『JUST DANCE!』で全世界デビューを果たしたTravis Japanだが、デビュー後の海外での活動といえば、アメリカが中心のイメージが強い人も多いだろう。今年1月には、デビューのきっかけとなったオーディション番組『⁡America's Got Talent』のスピンオフ番組『America's Got Talent: Fantasy League』にも出演しており、アメリカでの活動は今後も継続していくと予想できる。一方でアジアのイベントにも積極的に参加してきた。先に挙げた2022年11月の香港『UNIK ASIA FESTIVAL 2022』をはじめ、同年11月にはシンガポールで『You Tube FANFEST LIVE in Singapore』に出演。さらに2023年7月には台湾で開催されたイベント『2023漫画博覧会』にもゲスト出演した。今回、過密スケジュールの中でアジア向けにイベントが行われたことからも、Travis Japanにとってアジア市場が重要であることがわかる。

Travis Japanはタイ、香港それぞれのプロモーションを報告したInstagramの投稿の中で、現地でのコンサート開催を熱望するコメントを掲載していた。今回はアルバムのプロモーションであったが、彼らの真骨頂は、やはり圧倒的なダンスパフォーマンスを中心としたコンサートにある。グローバルに活躍するアジアのダンスボーカルグループの多くが、母国語に加えて英語バージョンの楽曲を発表している昨今。そんな中、Travis Japanも1stアルバム『Road to A』の楽曲の一部を全編英語詞で再収録したアルバム『Road to A -Global Edition-』として全世界配信した背景には、海外での単独ライブという、具体的な目標の実現への想いがあると言える。アジアでのアルバムセールスや楽曲再生数が今後さらに伸びれば、Travis Japanのパフォーマンスがアジア各国で見られる日も、やってくるかもしれない。全世界を活動のターゲットとするTravis Japanにとって、アジア進出は決して大袈裟な話ではなく、あくまで現実味のあるグローバル活動の一環だと捉えられる。

(文=恒松エント)

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