技能五輪国際大会に挑戦 9月に本場フランスで パン製造部門・滝澤和花さん(21、柿崎区出身)国内予選優勝、日本代表に 将来は郷里で店を

店のパン製造場所で五つ編みの練習をする滝澤さん

若手職人の世界的な競技大会「第47回技能五輪国際大会」(9月10~15日、フランス・リヨン)のパン製造部門に柿崎区三ツ屋浜出身、東京都新宿区の「MORETHAN BAKERY(モアザンベーカリー)」に勤務する滝澤和花(のどか)さん(21、都内在住)が挑む。昨年7月の1次予選、10月の本選を突破し、若手パン職人日本一となり、世界大会の出場権を得た。将来、郷里で独立開店を望んでおり、パンの本場で貴重な経験を積む。

昨年10月の4人による本選では、国際パン部門(バゲット)、ヴィエノワズリー部門(クロワッサン)、芸術作品部門(飾りパン)の3部門に挑んだ。大会に向け、朝6時から夕方4時までの仕事を終えた後、普段は夜9時ぐらいまで、直前は日付の変わる深夜1時まで、先輩シェフのアドバイスを受け練習に明け暮れた。

出来上がりのパンの長さや重さ、形、色、試食(味)、仕事の速さなどが審査された。店と同じ窯に当たったこともあり、手際良く作業できた。ブリオッシュ(バターと卵を使った、ふんわりとした食感の発酵パン)の編みパンなどが「練習よりうまくできた」と手応えはあったが、優勝と聞いて「びっくりした」と話す。

上下浜小の頃から、将来の夢に「パン屋さん」を抱いた。柿崎中時代は自宅でお菓子作りに没頭。上越総合技術高に進み、家でパンを作っては近所の人や、マネジャーを務めた男子バスケットボール部の部員や先生、クラスメートらに配った。「自分のパンを喜んでくれるのがうれしかった」と振り返る。

北陸食育フードカレッジ(長岡市)製菓・製パン専攻学科で2年間学び、紹介もあって昨年4月に西新宿のモアザンベーカリーに就職した。現在は「仕事を覚えている最中」で、生地を成形する麺台や焼き上げる窯を担当している。折り込みや仕込みの作業はこれからという。

大会は2年に1度あり、パン製造部門には前回、日本から初めて出場し7位だった。本場フランスで開かれる今回は、26カ国から選手が出場。一般社団法人レ・アンバサドゥール・デュ・パン・デュ・ジャポン関係者からは金賞の期待をひしひしと感じている。

将来的には柿崎や上下浜で店を持ちたいと夢見る。「地域の方に恩返しを。知っている人がいる方がいい店が築けそう。町の人と一緒に作っていきたい」と話している。

モアザンベーカリーの売り場で

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