世界のM&A総額、24年は前年比50%増加見通し=モルガンS

[5日 ロイター] - 米モルガン・スタンレーは5日付のリサーチノートで、今年のM&A(企業の合併・買収)総額が前年比50%増加するとの見通しを示した。資金調達コスト、インフレ、景気後退への懸念が緩和することが背景。

M&Aの「冬」は終わりつつあり、循環的・長期的に活動が回復する見込みという。

モルガンSは、欧州と北米地域がM&Aの恩恵を最も受けるとみるが、インド、オーストラリア、韓国、日本、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国にもM&Aの好機があると予想している。

2023年は主要中央銀行による積極的な利上げ、高インフレ、景気後退懸念が世界のM&A活動に打撃を与えた。

モルガンSによると、23年の世界のM&A総額は35%減少し、インフレ調整前で04年以来の低水準となった。

今年は年内に見込まれる利下げ、持続的なインフレ沈静化、主要国経済のソフトランディング(軟着陸)期待、企業信頼感の高まりがM&A活動の回復を支援する見通し。

モルガンSは人工知能(AI)やクラウド機能に対する需要、クリーンエネルギーへの移行、生命科学分野のイノベーションなども、案件増加を後押しすると指摘。

ヘルスケア、不動産、主要消費財、テクノロジーセクターが主に恩恵を受けるとの見方を示した。

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