独空軍会議情報の漏洩、個人的ミスが原因でシステムは安全=国防相

Sarah Marsh Madeline Chambers

[ベルリン 5日 ロイター] - ドイツのピストリウス国防相は5日、空軍高官らのオンライン会議の内容がロシア側に漏洩していた問題を巡る調査の暫定的な結果を公表し、原因はセキュリティー保護のない回線を使った1人の参加者のミスにあり、ドイツ軍のシステムがロシアに侵入されたわけではないと強調した。

またピストリウス氏は今回の事案について、ロシアが幅広い監視活動を展開していた中で偶然、ドイツ空軍の議論内容を傍受できたとの見方を示した。

ピストリウス氏は「わが軍の通信システムは破られていない。それでも空軍の会議が記録された可能性があったのは、個人の行動ミスがあったためだ」と語った。

報道によると、この会議ではドイツ空軍のゲアハルツ総監と複数の高官が、ウクライナが求めている巡航ミサイル「タウルス」の供与が決まった場合の具体的な対応が話し合われていた。ただショルツ首相はこれまで公式の場で、タウルスの供与をはっきりと否定している。

ゲアハルツ氏は会議情報漏洩の原因となった人物ではないが、この問題が同氏の立場に影響するのかどうか聞かれたピストリウス氏は、調査でさらに新しい事実が出てこない限り、ウクライナ戦争に対処する上で最適な人材の一人を犠牲にすることはないと述べ、更迭を否定した。

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