朱里が八神蘭奈に込める期待「根性はあると分かっていた」ゴッズ・アイに新しい風を【スターダム】

スターダムの新人選手が今年に入り、続々とユニット所属への動きを見せている。〝モノが違う女〟朱里が率いるゴッズ・アイには、1・20高田馬場大会で八神蘭奈が加入した。昨年12月に朱里を相手にデビューを果たした八神だが、同年3月に練習生になる以前、数年前から両者の交流は続いていた。朱里に八神の現在地を聞いた。

朱里は優しい表情を浮かべ、八神の現状を語った。「蘭奈の持ち味は蹴り。その良さを出せるように練習しています。練習生で入ってきた時は感情が全く伝わってこなかったけれど、最近は負けたくないという感情が少しずつ出てきているのは嬉しいですね」。空手三段の経験を生かした打撃を磨かせるつもりだ。

とはいえ、ユニットが掲げるものの一つはレスリングの強さだ。「ゴッズ・アイに入ったからにはレスリングがしっかりできる選手になってほしい。その部分も成長してほしいですね」。打撃を生かすためにも、レスリングを軽視させるつもりはない。

八神との出会いは数年前。ある音楽とプロレスを融合させたイベント、八神はドラマーとしてバンド活動を行っていた。それをきかっけに、個人的な交流が始まった。二人で食事をともにする機会も増え、八神からプロレス挑戦について相談されることも増えていった。そして八神が入門する3カ月ほど前、二人で宝塚歌劇団の舞台を鑑賞した際、幕間で挑戦の決意を伝えられた。

「興味があるんだったら、自分としてはスターダムに来てくれたら嬉しい、ちゃんと面倒をみたいはいという気持ちは伝えていました。決断を聞いて嬉しかったですね。厳しい世界ですけど、根性はあると分かっていた」

団体で新人の練習を指導する立場の朱里だが、練習生になる数年前から知る者を指導することは珍しい。「感慨深いですね。蘭奈に対する思いはあるので、すごいレスラーにしたい。基礎をしっかりできることはもちろん、デビューしたてなので、勢いとか感情がもっと伝わる選手になってほしい。唯一無二の存在になってほしいですね」と先を見据えた。

ただプロである以上、八神からの刺激を求めることも忘れない。「格闘の神に選ばれし者たち、というコンセプトがあるユニット。蘭奈が新しい風を吹かせて、もっと強くて個性あふれるユニットになっていきたいな」と思い描いた。

団体が2・4大阪大会後にエグゼクティブディレクターのロッシー小川氏を契約解除してから1カ月。リング上のストーリーは進む中、3月は次期契約の話題も増えてくる。朱里は「みんな一緒にやってきた仲間。どうなってもその絆はあるし、それぞれを応援してもらえたら嬉しい」と、スターダムに関わった者全員に優しい視線を向けた。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

© 株式会社神戸新聞社