お土産に地酒刷新 茨城・桜川の村井醸造 純米吟醸「真壁」 乳酸菌で味わいにキレ

リニューアルした「真壁」を手にする臼井卓二さん(左)と大塚秀喜市長=桜川市役所大和庁舎

茨城県桜川市真壁町真壁の老舗酒造会社「村井醸造」の代表銘柄「真壁」がリニューアルされた。県産業技術イノベーションセンターが開発した乳酸菌を使用し、酸によるキレのある味わいと、こうじが醸す甘みを中和させ、バランスよく仕上げたという。醸造責任者の臼井卓二さん(38)は「村井醸造らしい地酒を目指した」と話した。

真壁は「公明」「真上(しんじょう)」と並んで同社を代表する銘柄。創業300年以上続く同社で約30年前から製造してきた。今回、観光客向けのお土産になるような商品を目指し、純米吟醸酒をリニューアルした。精米歩合は60%。火入れと生酒の両タイプを販売する。

原料は地元産にこだわり、筑西市桑山の農家と契約して、酒造好適米「若水」を使用した。酵母の育成には乳酸菌「メセンテロイデス19-5」を使用。同社の「真上」にも使われている種類で、県内では同社のみが使用する。雑菌の繁殖リスクを減らせるほか、酸化による品質の変化を穏やかに緩和する効果があるといい「流通にも向きやすい、安全なお酒を造りたかった」と臼井さんは語る。

包装紙のデザインは真壁の街並みをイメージ。「真壁のひなまつり」や、地区内の文化財や蔵などのイラストをちりばめた。臼井さんは「このお酒を通して、街の雰囲気を知ってもらいたい」と意気込んだ。

2月16日、臼井さんが桜川市役所大和庁舎に大塚秀喜市長を訪ね、リニューアルした真壁を紹介した。大塚市長は「真壁をPRできる商品。ふるさと納税の返礼品としても検討してもらえればうれしい」と話した。

価格は500ミリリットル瓶入りで生酒(数量限定)が1890円。火入れは1790円。いずれも同社や県内の酒販店などで購入できる。(滝明沙華)

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