「白河・奥会津ルート」の旅行商品化へ 福島県の白河市と金山町 海外からも誘客目指す

白河だるまの絵付けを体験する台湾人観光客

 福島県の白河市と金山町は2024(令和6)年度、白河、奥会津両地方の観光の活性化を目的に「白河・奥会津ルート」の旅行商品化に乗り出す。これまでなかった観光ルートを確立し、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ観光客の回復を目指す。福島空港と台湾を結ぶ定期チャーター便を契機に台湾などからのインバウンドの拡大にもつなげる。

 想定ルートは【図】の通り。JR新白河駅を発着点にレンタカーで、国道289号甲子道路を通り、奥会津まで結ぶ。白河市の小峰城や、金山町の「霧幻峡の渡し」など歴史や自然を体感できるルートを想定している。他の自治体との連携も視野に入れ、広く回遊できるコースを検討する。

 白河市観光課の鈴木穣課長は「奥会津へは車で2時間余りで移動できる。交通アクセスの良さを売り込みたい」と語る。市内の観光は回遊性が課題とされ、観光客は白河ラーメンを食べて別の場所に移動するケースが多い。市は昨年11月、一泊二日で市内の観光地と奥会津の名所を巡るモニターツアーを行った。参加者からは「他の観光地も巡りたい」などと好評を得た。広域的な周遊プランにニーズがあり、南湖公園や白河だるま絵付けなど市内にも足を運んでもらえると手応えを感じたという。

 金山町観光物産協会の小沼優事務局長も「白河とつながれば、誘客拡大が見込める」と話す。現状、奥会津へは会津若松市を経由することが多いが、「交通アクセスの良さから選択肢が広がるのではないか」と期待する。

 白河市観光課によると、今後、首長や観光関係者、旅行業者らでつくる協議会の設立を目指す。早ければ4月にも、コース選定に着手したい考えだ。鈴木和夫市長は「会津地方の自治体と連携し、新しい観光ルートとして魅力を発信したい」としている。

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