起業家向けオフィスや住民交流機能を備えた複合施設に 旧東邦銀行双葉支店に整備へ 福島県双葉町

複合施設に生まれ変わる旧東邦銀行双葉支店

 福島県双葉町は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で営業を休止した旧東邦銀行双葉支店を改修し、起業家向けオフィスや住民の交流機能を備えた複合施設を整備する。既存の建物を活用し、町の新たな産業や、住民同士の交流の場を生み出す。5日開会した町議会3月定例会に関連予算を盛り込んだ2024(令和6)年度一般会計当初予算など28議案を提出した。

 双葉支店はJR双葉駅東側にあり、鉄筋コンクリート2階建て。1階には自由に料理ができる「シェアキッチン」やラウンジなどを置く計画。住民や町を訪れた人が気軽に利用できる空間作りを目指す。2階には町内で起業を考えている人や企業関係者らが利用する小規模なシェアオフィスを設ける想定。起業家同士が意見交換でき、町の活性化につながる新たな取り組みなどが生まれる場とする。

 町は町民の意見を聞いた上で、既に東邦銀行から改修の内諾を得た。今後、建物を譲り受ける。新年度に設計に着手し、2025年度以降に工事に入る計画だ。

 双葉支店の壁面には、東京都の会社「OVER ALLs」が復興支援を目的に手がけた壁画が描かれている。町は絵を残す方向で改修を進め、町民に親しまれる有効的な活用策を探る。

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