「孔府皮影戯」、伝統芝居に新たな活力を吹き込む 中国山東省

「孔府皮影戯」、伝統芝居に新たな活力を吹き込む 中国山東省

孔府皮影戯のパフォーマンスを披露する無形文化遺産の職人。(資料写真、曲阜=新華社配信)

 【新華社済南3月6日】中国山東省済寧市曲阜市にある孔子の子孫が住んだ邸宅「孔府」の福寿堂で、孔府皮影戯(ピーインシー)と呼ばれる影絵芝居の演目「貪壁伝説」が上演されている。孔府内宅の照壁(門外に設置する目隠しの塀)「戒貪図」をモデルに創作したオリジナル作品で、貪欲の象徴である「貪」獣が最終的に海に沈んでいく物語を無形文化遺産の職人が生き生きと表現する。

 充実した文化体験を観光客に提供するため、「三孔(孔府、孔廟、孔林)」風景区は2023年、「孔府檔案」などの史料を検証し、専門家や無形文化遺産「皮影戯」の伝承者に教えを請い、孔府にまつわる物語や言い伝え、景観などを皮影戯のパフォーマンスに盛り込み、新たに孔府皮影プロジェクトを立ち上げた。

「孔府皮影戯」、伝統芝居に新たな活力を吹き込む 中国山東省

孔府で披露された皮影戯のパフォーマンス。(資料写真、曲阜=新華社配信)

 観光・文化に携わる企業、曲阜市三孔文化旅遊サービスの張磊(ちょう・らい)副総経理は「三孔風景区は文化の蓄積が厚く、わが社は革新を続けて伝統的な技術に新たな活力を与え、より多くの観光客に伝統文化の魅力を感じてもらう」と述べ、孔府皮影戯が同風景区の「文化の看板」になりつつあると紹介した。

 皮影劇場の脇に設けられた孔府皮影体験エリアでは、観光客がプロの指導を受けながら、皮影戯で使われる人形を自ら制作、操作している。

「孔府皮影戯」、伝統芝居に新たな活力を吹き込む 中国山東省

孔府皮影作りを体験する観光客。(資料写真、曲阜=新華社配信)

 孔府皮影の派生商品の開発も進んでいる。担当者によると、同風景区では現在、皮影工芸品など多くの商品を生み出しており、将来的には皮影文化クリエーティブブランドを立ち上げ、皮影を通じて多くの観光客に三孔の伝統文化を感じてもらいたいという。(記者/張昕怡)

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