英劇作家、ボンド氏死去 89歳、「戦争戯曲集」など

 エドワード・ボンド氏(英劇作家)英メディアによると3日死去、89歳。

 34年、ロンドン生まれ。労働者階級の家庭に生まれ、工場などに勤める傍ら戯曲を書いた。62年、第1作「教皇の結婚式」を発表。戦争や社会的排除の経験を作品に取り込み、60年代前半にロンドンの舞台を席巻した。社会構造のゆがみや不条理な暴力を描いた作品はしばしば論争を呼んだ。65年の「救われて」は後に英演劇界の検閲制度廃止につながった。

 生涯で創作した戯曲は50以上。代表作に松尾芭蕉が主人公の「奥の細道」(68年)、「リア」(71年)、3部作の「戦争戯曲集」(85年)など。(ロンドン共同)

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