茨城・阿見町、市制へ本格準備 円滑移行担う新部署 町民の意向調査 魅力発信も強化

市制施行に向けて準備が本格化する阿見町役場=阿見町中央

単独で市制施行できる要件の一つ「人口5万人」を達成した茨城県阿見町。2025年の国勢調査を経て、早ければ26年度中の施行を目指す。このほど発表した24年度当初予算では、新たな部署の設置や町民の意向調査、シティプロモーション戦略の策定を盛り込むなど、新市誕生に向けた準備が本格化する。

市制施行を見据えた庁内体制を整えようと、政策企画課に「市制施行準備室」を新設する。配置する職員は3人程度を想定。国勢調査後の市制施行が円滑に進むように、要件や手続き、権限委譲の対象となる事務を整理するほか、周知活動と町民アンケートによる機運醸成を担う。

また、行政組織条例の一部を改正し、総務部が担当する情報政策や行政改革に関する事務を、町長公室の担当に変える。新たに「行政経営課」を設け、職員10人程度を割り振る。行政運営に経営的な視点を取り入れ、市制施行後の組織づくりの検討や業務体制の見直し、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進を目指す。

町の魅力発信を強化しようと「広報・シティプロモーション戦略」を策定する。1月に開設した町公式ラインなどの交流サイト(SNS)を運営し、大相撲の二所ノ関部屋に所属する力士たちの活躍ぶりや、霞ケ浦湖畔の自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」のPRに力を入れる。

2月8日の定例会見で、千葉繁町長は「市になって良かったと思ってもらえるようなまちづくりを目指す。行政だけでなく、町民の皆さんとともに市制に向かって歩みたい」と意気込みを語った。

町の常住人口調査によると、昨年11月1日の速報値で5万14人に到達。2月1日時点では5万95人となっている。

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