20万人の自宅に投函された「赤い封筒」、そのうち1万2,784人に訪れた「恐ろしい出来事」

ネット上でたびたび話題になる、道に置いてある(捨てられている⁉)赤い封筒。「絶対拾うな!」と注意が呼びかけられていますが、一方で、赤い封筒がポストに入っていたという投稿も。その正体も、実に恐ろしいものでした。みていきましょう。

ある日、突然自宅のポストに届けられる「赤い封筒」その正体は?

ネット上で、たびたび話題になる「赤い封筒を拾ってはいけない!」という話題。なにかの怪談話かといえば、そうではなく、中国や台湾などでみられた古い風習である「冥婚」によるもの。

「冥婚」とは「生きている者と死者、または死者同士が結婚すること」で、古くは「亡くなった女性をかわいそうに思う家族が女性の写真や髪を入れ、拾った男性と結婚させる」という風習があったのだとか。

いまはほとんどなくなった風習だといいますが、台湾を旅行中の日本人が旅先で道端にポツンと置いてあった赤い封筒をSNSに投稿したことで、日本でも知られるようになりました。

もし赤い封筒を拾ったら……物陰に隠れて見ていた遺族が封筒を拾った人を捕まえて、結婚を迫るとか。さすがに実施に籍を入れるわけではなく、位牌に名前を入れるといった風習で、儀式的意味合いが強いといいます。

そんな赤い封筒が、道に落ちているのではなく、ポストに入っていたとしたら。思わずギョッとすることでしょう。ネットをみてみると、「ポストに赤い封筒が入っていた」といった投稿がみられます。

日本において、突然ポストに入っている赤い封筒……その正体は、日本年金機構からの「最終催告状」かもしれません。

日本国内に居住している20歳以上60歳未満であれば、国民年金の加入者となり、保険料を納めないといけません。会社員や公務員であれば厚生年金保険料を支払っていますが、国民年金保険料はその中に含まれていることになり、国民年金保険料を払っている意識はないかもしれません。一方、自営業者や学生、無職であれば、自らが保険料を払う必要があります。

その保険料は、令和5年度で1万6,250円。また国民年金保険料は一定期間の保険料をまとめて前納することも可能。2年前納で割引額は1万6,100円と、約1ヵ月分の保険料になります。

日本年金機構からの「催告状」…「青」→「黄色」→「赤」と変わっていった先の末路

――とうとう俺にも赤い封筒が届いた

そう投稿したのは、月収20万円ほどだという男性。厚生年金には入っていないため、自分で国民年金保険料を払う必要があります。どうしても月1万6,250円の保険料が払えないときがあり、一度滞納したことをきっかけに「払うのが面倒くさくなった」といいます。

国民年金保険料は納期期限から7ヵ月以上の滞納が続くと、青い封筒に入った「特別催告状」が届きます。これは「年金保険料が未納なので、払ってくださいね」と注意を促すようなもの。それでも保険料を払わないでいると、今度は黄色の封筒に入った「特別催告状」で、「保険料を滞納してます! 払って!」と、より強めにプレッシャーをかけてきます。

それでも保険料を払わないでいると、とうとう「赤い封筒」に入った「特別催告状」が届くことになるのです。青い封筒の催告状が届いてから赤い封筒の催告状が届くまで、およそ1年ほど。赤い封筒に入った催告状は、最終警告のようなもので、2022年には19万件近くが送付されたとか。次の段階が、延滞金がかかることや財産が差し押さえになることが記された「催促状」。2022年には13万件近くに送られました。そして実際に財産の差し押さえに至ったのは、2022年には1万2,784件。ポストに赤い封筒の入った人たちの7%ほどです。

財産が差し押さえになるどうなるのでしょうか。たとえば給与は満額もらえなくなり、一部を受け取れなくなります。 保険料が完納となるまで、毎月給与の一部が差し押さえられ、国民年金の納付にあてられるのです。

そんなことにならないよう、もし保険料の納付が経済的に厳しいのであれば、保険料の猶予や免除の申請を行うのが鉄則。無届けで保険料を滞納すると、最終的に恐ろしい事態を引き起こします。まずは年金事務所に相談するようにしましょう。

[参考資料]

厚生労働省『令和6年度の年金額改定について』

厚生労働省『令和2年 国民年金被保険者実態調査』

厚生労働省『令和4年度の国民年金の加入・保険料納付状況を公表します』

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