十和田湖地域の高付加価値化へ基本構想案/1000年会議

基本構想案をまとめた十和田湖1000年会議=5日、十和田市

 青森、秋田両県の官民の代表者らで構成する「十和田湖1000年会議」は5日、十和田八幡平国立公園の十和田湖地域の高付加価値化に向けた基本構想案をまとめた。自然環境の保全を最優先事項に位置付け、暮らしや観光、なりわいなど全ての面の課題を解決し、地域や社会全体の持続性の向上を目指すとした。

 自然体験が楽しめる宿泊施設を国立公園内に誘致し、魅力向上などを図る環境省のモデル事業の候補地に選ばれたのを受け、策定を進めた。近く、国に提出する。同省は構想案を踏まえ、全国四つの候補地から事業の実施拠点を月内にも1、2カ所に絞る。

 構想案は、自然環境の保全に関する共通認識の醸成やルールの適正運用、交通アクセス、観光客らのエリア内での滞在時間の短さなどを課題として列挙。公園の高付加価値化に向け、自然・文化資源の価値を地域で共有し、各課題を解決する必要性を指摘した。

 その上で、自然環境や景観保全に向けた取り組みや生活基盤の向上、感動体験創出への施策を示し、今後の方向性も盛り込んだ。

 誘致する宿泊施設に関しては、休屋・休平地区を立地場所と想定。複数泊、長期滞在向きで、地域とのつながりを生む施設が望ましいと例示した。2026年度に事業者を決定し、28年度の着工を目指す。

 事業の実施拠点に選ばれれば、同会議は新年度、マスタープランなどの検討や策定に入る予定。選ばれなかった場合は、基本構想案の磨き上げなどを進める。【全文】

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