テニス=ドーピング疑惑のハレプ、処分期間短縮で即復帰へ

[ジュネーブ 5日 ロイター] - 女子テニスの元世界ランキング1位、シモナ・ハレプ(32、ルーマニア)の資格停止処分が5日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)によって当初の4年から9カ月に短縮され、直ちに競技復帰できることになった。

ハレプは昨年の全米オープンで禁止薬物のロキサデュスタットの陽性反応が出たほか、アスリート・バイオロジカル・パスポート(ABP)でも不正の疑いが生じていた。

だが、ハレプは陽性反応について汚染されたサプリメントが原因で故意ではないと主張。また、不正監視機関の国際テニス・インテグリティー・エージェンシー(ITIA)がABP違反を告発したのは、プロファイル評価を行った専門家グループがハレプのサンプルと知った後だったとして同機関を非難していた。

CASはハレプがサプリを摂取する際にもっと慎重になるべきだったとしたものの、重大な違反ではないと裁定。また、ABP違反については2022年に採取されたサンプルが手術直後で、本人が同年の残りは大会に出ないと明言していた点を考慮するのが妥当だと結論付けた。

当初26年10月までとされていた処分が22年10月7日からの9カ月間と短縮されたことで、ハレプには今年の全仏オープンかウィンブルドン選手権のワイルドカード出場枠が与えられる可能性がある。ハレプは「私は常に選手としてクリーンで、この長く困難なプロセスの中で、真実が明らかになること、正しい裁定が下されることを信じてきた」と話した。

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