朝ごはんと豆乳

朝食を抜く家庭が増加している中での朝食の重要性

今、朝食を食べない「欠食習慣」が広がっています。農林水産省の食育に関する意識調査では、欠食の増加傾向が続き、2021年度は13.9%に上っており、中でも20代から30代の若い世代では、26.5%と4人に1人の割合になっています。要因として指摘されているものの1つは生活リズムの変化です。コロナ禍により在宅勤務やオンライン授業の機会が増えたことで通勤や通学の必要がなくなり、朝起きる時間が遅くなった人が増え、その習慣が直らず、朝食を食べる時間が無くなってしまったということです。また、巣ごもり生活が続いてインターネットで動画などを見る機会が増え、夜更かしをしてしまう癖が付いて朝起きる時間が遅くなったことも要因と見られています。

朝食は、体のリズムを整える役割を果たし、昼食をとるまでの午前中に脳の働きを高めるためのエネルギー源を供給し、健康の維持・増進に必要不可欠な様々な栄養素を供給するために重要な意味を持ちます。

私達の体内には、体内時計と呼ばれるものが備わっていて、ホルモンの分泌や体温、血圧など、生体のリズムを周期的に刻んでいます。人は、ある時間になると睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌量が高まって体温が下がり、眠ります。ホルモンの分泌量が減ってくると、体温が上がり始め、目が覚めます。体内時計の周期はおよそ25時間ですが、私達は1日24時間で生活しています。体内時計の周期とは1時間のズレがあるため、このズレが続くと、ホルモンや自律神経などのバランスが崩れ、だるい、落ち込む、眠れない、集中力がなくなるなどの症状が現れ、病気や事故のリスクも高まります。朝日を浴びること、朝食をとることで体内時計は毎朝リセットできます。朝食は、体のリズムを整える上でとても大切なのです。

朝食におけるたんぱく質摂取の重要性

睡眠中の人間の体内では多くの成長ホルモンが分泌されており、体の機能をコントロールしています。成長ホルモンが活発になると、たんぱく質の吸収が促進されて筋肉量を増やします。睡眠中は飲食による栄養補給ができないため、寝起きの体はたんぱく質を含むさまざまな栄養素と水分が不足した状態になっています。寝起きの体は、朝食を食べることで体内時計を調整します。体内時計の主時計は脳にあり、朝日を浴びることでリセットされますが、脳以外にある体内の末梢時計は朝食でリセットされます。特にたんぱく質の多い食事は、インスリン類似物質を分泌させ、これが体内時計をリセットさせるので、朝食にたんぱく質を摂ることが重要です。

たんぱく質は筋肉を構成するのに欠かせない成分であり、筋肉トレーニングをしてもたんぱく質が不足していると思うように筋肉を増やせません。また、たんぱく質は筋肉のみでなく、細胞や臓器、皮膚、髪の毛などさまざまな組織を構成しています。摂取したたんぱく質がすべて筋肉に使われるわけではないため、人間は一日を通して定期的にたんぱく質を摂取し、補給する必要があります。筋肉量が増えれば基礎代謝が向上し、痩せやすい体が手に入るため、ダイエット効果も期待できます。高たんぱく質な朝食は、人間の体をより健康的な状態に変えてくれます。

朝食には豆乳がオススメ!

豆乳には畑の肉と呼ばれるほど豊富な植物性たんぱく質が含まれています。植物性たんぱく質は動物性たんぱく質に比べてゆっくり消化するという性質があるので、満腹効果を得やすく、腹持ちがよいのが特徴です。

一日に摂取した食事は腸で消化吸収されますが、腸が最も活動するのは夜寝ているときだと言われています。朝、目が覚めてからの数時間は、腸で吸収した後の不要になった老廃物を体外へ排泄する時間になります。豆乳には、腸内細菌のエサになり腸を活性化させるオリゴ糖が含まれています。朝食に豆乳を飲めば、お通じの改善も期待できます。

豆乳には、血液のヘモグロビンを増やす鉄分とたんぱく質、赤血球の元となるビタミンB6と葉酸が豊富に含まれていて、冷え性や貧血改善効果もあります。

朝食が大切であることが分かっても、これまで朝食をとる習慣の無い人にとって、朝食をとることのハードルは高いかもしれません。朝食をとらない理由として、まず出てくるのは「食べる時間が無い」「作る時間が無い」といった理由です。食べる時間も作るもかからない豆乳を朝食に取り入れて、毎日の朝食を習慣化してみませんか?

(2024年2月19日豆乳あるあるマップ掲載記事より)

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