うるまの陸自分屯地にミサイル部隊、21日配備 10日にも公道使い装備搬入

 【東京】うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地に、地対艦ミサイル(SSM)の連隊本部や新たな中隊一つを配備する計画を巡り、防衛省は21日に部隊を新編する方針を固めた。連隊本部は、先島諸島や奄美大島のSSM部隊を束ねる。指揮統制機能を向上させることで、南西諸島の防衛体制を強化する狙いがある。防衛省関係者などが5日、本紙取材に明らかにした。(東京報道部・新垣卓也)

 複数の関係者によると、第7地対艦ミサイル連隊(仮称)の本部やその指揮下に入るミサイル中隊一つが21日、勝連分屯地に新編され、30日に記念行事を開く。

 部隊が扱うミサイル発射機を備えた車両など関連装備の搬入は、10日早朝にも実施する方向で調整しているが、日程が変わる可能性もあるという。中城湾港から、公道で勝連分屯地へ搬送する見通し。

 部隊新編で計約160人が新たに加わり、分屯地の定員は計250人規模になる見込みだ。

 勝連の連隊本部には、すでに配備が完了している宮古島駐屯地、石垣駐屯地、瀬戸内分屯地(鹿児島県瀬戸内町)のSSM部隊も指揮下に入る。

 陸自のSSM部隊は、接近してくる他国軍の艦艇を地上から攻撃する「12式地対艦誘導弾」を運用する。南西地域のミサイル防衛網をより強化し、抑止力などを高めたい考えだ。

 防衛省は12式地対艦誘導弾の射程を、現在の約200キロから約千キロに延ばす「能力向上型」を開発している。配備は2026年度の予定だったが、25年度への前倒しがすでに決まっている。

 防衛省は配備先を未定とするが、木原稔防衛相は「能力向上型はアップグレードされており、当然(既存の部隊も)そういうものを目指していく」との見解も示している。

 一方、勝連分屯地への部隊配備に反対する市民団体は1日、中村正人市長に対し、計画断念を求める約1万500人分の署名を提出している。

地対艦ミサイル部隊を配備する勝連分屯地

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