アレックス・ファン・ヴァーメルダム監督最新作『No.10』超不穏、暗然たる日本オリジナル予告編完成

映画『No.10』場面写真(C)2021 GRANIET FILM CZAR FILM BNNVARA

アレックス・ファン・ヴァーメルダム監督最新作『No.10』より、日本オリジナル予告編が解禁された。

本作は、衝撃作『ボーグマン』(2013)でカンヌ映画祭パルム・ドールにノミネート、第46回シッチェス・カタロニア国際映画祭でグランプリを受賞し、世界中を大混乱に陥れたオランダの鬼才アレックス・ファン・ヴァーメルダム監督の通算10作目となる最新作。

幼少期に記憶を失い、森に捨てられ、里親に育てられたギュンター。大人になった彼は舞台役者として生計を立て、共演者と不倫、一人娘は肺がひとつしかない突然変異だった。役者仲間の裏切りによって残酷な仕打ちを受けるギュンターは、復讐を誓った。だが、その先に、とてつもない驚愕の事実との対峙が待っている。

不倫と復讐、自分は何者なのか。自身が舞台役者出身のヴァーメルダム監督は、冷酷なまでの正確さで、主人公である役者ギュンターの人生を監視する。『ボーグマン』で映画のジャンルを超越したヴァーメルダムは、ついに本作で物語という概念を突破、正体不明の域に到達した。

この戦慄と衝撃、緊張が渦巻くサスペンスに満ちた作品がもたらすあまりのことに、海外映画祭は「頭がおかしくなるほど素晴らしい。はやく観たほうがいい」「大胆さにあきれて、たまげた」「不気味で暗く、怪しく、そしてどうかしている」と騒然、世界中の映画評論家は言葉を失った。

ヴァーメルダムは次のように語る。「脚本を書き始めるときは、これまでに行ったことのない領域にたどり着くべくシーンを次々と構築して配置する。『No.10』は終わりまでに、トーン、人員、ビジュアル、すべての点で、オープニングシーンから何光年も離れた場所にいる」。音楽もヴァーメルダムによるもので、土星人サン・ラーも羨むであろう宇宙ジャズともいうべき旋律が、何光年も離れた場所から奏でられる。

この度解禁となった日本オリジナルの予告編は、全体的に不穏な雰囲気を漂わせ、BGMでも不安を煽り、見る者の気持ちを沈ませる暗然たる映像となっている。「舞台役者ギュンターは不倫していた」「世界中を大混乱に陥れた戦慄の巨大モニタリング・サスペンス」「貞操義務違反の果て、真実の大宇宙が広がった 」「それは常に目を光らせていた」と、作品の内容を理解するには難解なテロップの数々。最後のギュンターのセリフ「他人には絶対言うな」とは何か。その意味は、ぜひ劇場にて本編を観て確認してほしい。

映画『No.10』は、4月12日より全国順次公開。

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