ハーゲンダッツジャパン 徹底した品質を再訴求 体験型ショップ展開へ

40周年を迎えるハーゲンダッツ ジャパンは24年度、同社アイスクリームの原材料や「オーバーラン」など、品質に裏付けられたおいしさを発信強化する。春にはこれらをリアルに体感できる期間限定ショップもオープン予定だ。

このほど行われた戦略説明会で平井弓子社長は「心を満たす情緒的価値に加え、おいしさの納得度を高める品質を訴求する。40周年を迎える今年は原点に立ち返り、製品が手元に届くまでの品質をあらゆる場面で伝えていく」と語った。

この一環として「オーバーラン」へのこだわりを店頭施策含め多方面から伝える。

オーバーランはアイスクリームに含まれる空気含有量で、同社はこれを20~30%に抑えることでずっしりとした食べ応え、滑らかな口当たりを実現している。50%まで引き上げた場合、同じ原料・体積でも重さが異なる。

24年度はミニカップの「バニラ」「ストロベリー」を重点的に取り組む。後者に使用する苺は1年の中で最もおいしい時期に手摘み収穫するなど、公式HPでは原材料へのこだわりや、開発から生産まで一貫した品質管理を紹介している。

春の新商品(ハーゲンダッツ ジャパン)

新商品では、3月26日に「Decorationsティラミスクッキークランチ」(85㎖、税込み351円)、「同アーモンドキャラメルクッキー」(88㎖、同)を投入。蓋を開けた時の華やかさやざくざくと楽しい食感が支持され、21年発売時は19年比で1.5倍の販売実績を記録した同シリーズが、満を持して再登場する。

40周年の施策としてミニカップ3品(バニラ・グリーンティー・ストロベリー)を記念ロゴ入りパッケージで2月下旬から展開している。

同社の23年度(1~12月)売上高は、前年比2%増の507億円だった。23年4月に4年ぶりの価格改定を実施したが「新たな価格に見合う商品・ブランド価値を消費者に理解・支持していただけた」(同社)とし、堅調だったミニカップのほか、価格改定直後に発売した「スプーンクラッシュ」や「原材料への挑戦」と銘打った「グリーンクラフト」も新たな顧客を取り込むことができた。

24年度は一層の品質追求や40周年記念施策、基幹品の活性化、共感性の創出などで売上高前年比5%増の541億円を目指す。

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