ハイチ首相、プエルトリコに到着 治安悪化で帰国は不透明

Steven Aristil

[ポルトープランス 5日 ロイター] - 治安が悪化しているカリブ海の島国ハイチのアンリ首相は5日、米自治領プエルトリコに到着した。首相は先週、国連の多国籍部隊を派遣してもらう合意を結ぶためケニアを訪問して以来、消息が不明になっていた。

プエルトリコ政府は、アンリ氏が首都サンフアンに降り立ったことを確認した。

ハイチではギャングの暴動で治安が悪化。刑務所では大規模な脱獄が発生し、政府は3日に非常事態を宣言した。空港を含め、多くの商業活動が停止している。

ギャング集団のトップはアンリ氏の退陣と国外追放を求めており、同氏がいつどのようにして母国に帰れるかは依然不明だ。

国連の移民関連事務所は週末、ハイチで少なくとも1万5000人が暴動のために家を追われたと発表した。

人権団体プラン・インターナショナルによると、首都ポルトープランスの住民の多くが北部の農村地帯に逃れたが、暴動が北部にも広がり農村地帯の住民は食料不足に直面している。

ハイチでは2021年にモイーズ大統領が暗殺されて以来、ギャングが支配地域を広げてきた。アンリ氏は2月までに退任すると約束していたが、治安悪化を理由に手続きを引き延ばしている。

© ロイター