中国マネー、海外ファンドに殺到 運用会社は対応に苦慮

Summer Zhen Samuel Shen

[香港/上海 6日 ロイター] - 中国では海外資産に投資するファンドに資金が急激なペースで流れ込み、運用会社は申し込み額に上限を設けたり募集を停止したりするなど、対応に苦慮している。

外国証券を購入する重要なルートである適格国内機関投資家(QDII)制度に基づいて発行されたファンドの売れ行きにもこうした動きが表れている。

中国証券投資基金業協会(AMAC)のデータによると、1月のQDII商品の販売額は前年同月比50%増加し、過去最高を記録した。一方で国内株式投資信託は35%減少した。QDII商品の運用資産は前年比19%拡大した。

FRハーベスト・アセット・マネジメント(上海)の創業パートナー、Le Rong氏は「資産配分を多様化したいという富裕層顧客からの強いニーズを感じている」と語った。

「中国経済は20年にわたる高成長と高リターンの後、当面減速に直面する」と予想した。

当局のデータによると、QDII枠は現在1655億ドルで7月以降追加されていない。

華夏基金は先週、米ハイテク株などに投資するファンドへの1日の申し込み額を制限した。マニュライフ・ファンド・マネジメントもインド株に投資するファンドに購入上限を設けた。

関係筋によると、ブラックロックの英ヘッジファンドに投資するQDII商品は今年1200万ドル近くを集め、昨年の210万ドルから5倍以上に膨らんだ。

ブラックロックと共同でこの商品を立ち上げたチャイナ・リソーシズ・トラストは新規募集を3月に停止したと明らかにした。

スタンダード・チャータードも最近「商業上の理由」を理由にQDII商品への新規投資を停止した。

ある関係者は「QDIIファンドに対する国内投資家の需要は今年に入って異常なほど高まっている」と語った。

華夏基金管理でQDIIファンドの運用を担当するZheng Peng氏は、米中10年物国債の利回り差は190ベーシスポイント(bp)近くあり、この傾向は続くとの見方を示した。

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