生活保護…支給に遅れが発生、対象口座2349件に1億6557万円が振り込まれず 作業チェックルールなくそのままに 対象の全世帯に電話し謝罪 午前中だけで問い合わせ90件殺到

生保費1.6億円支給遅れ 区役所がデータ送信せず=さいたま市北区

 埼玉県さいたま市は5日、北区役所の担当する生活保護費の振り込み支給に遅延が生じたと発表した。口座のデータを金融機関に送信しなかったことが原因で、保護世帯1671件の代理納付を含む対象口座2349件で約1億6557万円に影響が出た。対象の全世帯に電話連絡して謝罪した上で、「6日朝に振り込む予定」と説明している。

 北区役所によると、支給日の5日午前8時半ごろ、生活保護受給者から「銀行口座に振り込まれていない」と連絡を受けて判明した。午前中に少なくとも90件の問い合わせがあったという。

 北区福祉課が2月22日、振り込み先の口座と金額のデータを作成。受け取った北区総務課が金融機関へのデータ送信を行っていなかった。総務課内でチェックする決まりがなく、担当者2人は互いに送信の確認をしていなかった。

 振り込みの遅延により損害賠償などが生じた場合は、適切に対応するとしている。毎月の事務作業で、同様のミスはこれまでになかった。所属長によるチェック体制を構築し、再発防止を徹底する。

 北区の江幡暢弘副区長は「関係者の皆さまにご迷惑をおかけし、深くおわびを申し上げます。再発防止に努め、正確な事務処理を徹底してまいります」と述べた。

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