鹹豆漿(シェントウジャン)特集

全国的に寒さが厳しさを増し、心と身体が温まる料理を食べたくなる人も多いのではないでしょうか。体を温めるためには、たんぱく質を摂取することが重要です。たんぱく質は三大栄養素(炭水化物《糖質》、脂質、たんぱく質)の中でも熱を発する量が最も多いとされています。たんぱく質が不足すると筋肉を育てる栄養が足りず、筋肉量が減少します。 筋肉には熱産生といって体の熱をつくるはたらきがあり、これによって人間の体温を37度付近に保つことができるのです。逆にたんぱく質が不足すると、冷え性になってしまいます。 寒い季節は、体を温めるためにも、たんぱく質を気軽にたくさん摂取できる豆乳を取り入れてみましょう。

今回は、日本でも人気の台湾の定番朝食「鹹豆漿(シェントウジャン)」を紹介します。「鹹豆漿(シェントウジャン)」は、たくさんの豆乳を使用しているため、手軽にたんぱく質を摂取することができ、体を温めてくれます。

鹹豆漿(シェントウジャン)とは

かつて、西漢時代に淮南王‧劉安によって作られた豆乳は、時間と文化の影響を受け、中国の民族特有の食品として定着し、特に江蘇と浙江地方では深い文化的な意義を持っています。それと共に、鹹豆漿(シェントウジャン)は、もともとは中国北部にある華北を中心に、日常的に朝のスープとして飲まれていた食事で、シェンは「しょっぱい」、トウジャンは「豆乳」を意味します。豆乳を酢のチカラでおぼろ豆腐状に固めた「鹹豆漿(シェントウジャン)」は、滑らかで‘ふるふる’の食感とヘルシーな味わいが魅力のスープです。

台湾台北にある「新世界豆奨大王」が、「鹹豆漿(シェントウジャン)」の爆発的な人気店となり台湾全土に広がりをみせ、いまでは、台湾を中心に、人気の朝ごはんメニューとなりました。台湾には、ミシュランの推薦を2年連続で受けた「阜杭豆漿」(フーハンドゥジャン)」や、興安の住宅地に位置する「五湖豆漿(ウーフードウジィァン)」など、評判の高い店があります。特に五湖豆漿は、場所が少し離れているにもかかわらず、開店と同時に長い列ができ、多くの外国人観光客も訪れています。

鹹豆漿(シェントウジャン)を堪能できるお店が続々と開店

日本では、テレビ番組でタピオカに次ぐ台湾グルメとして紹介されてことをきっかけに、多くの日本人観光客が鹹豆漿(シェントウジャン)のお店に足を運ぶようになりました。Instagramでは、「#鹹豆漿」の投稿数は約2.8万件、カタカナ表記の「#シェントウジャン」も6000件以上の投稿数と人気を見せています。

東京・五反田 台湾式朝ごはん専門店「東京豆漿生活」

店主の田邊与志久さんが、奥さんが台湾人であったことをきっかけに2019年2月にオープンしました。店名の「#東京豆漿生活」のタグが付いたInstagram投稿だけで7000件以上ある行列のできる人気店で、営業時間は9~15時(なくなり次第終了)です。

シンプルな豆乳や台湾系のパンなども取り扱っていますが、一番人気は鹹豆漿(シェントウジャン)です。また、2020年からはオンラインショップでの販売もスタートしています。

台湾朝食専門店「wanna manna(ワナマナ)」

2021年4月、1号店を大阪南森町にオープンし、行列のできるモーニング店として、話題を集めました。台湾や中華圏からのお客様が3割を占めています。

2023年4月には、、JR飯田橋西口から徒歩2分のところにある飯田橋サクラテラスに2号店をオープンしました。使用している豆乳は、一般的な市販の豆乳に比べて、さらっとしていて飲みやすいのが特徴です。豆乳あるあるマップ内の「豆乳博士の取材日記」でもインタビュー記事を掲載しています。

吉祥寺「二吉軒監修 豆漿日和 (豆乳豆花専売店)」

2023年12月11日グランドオープンした、台湾の人気店「二吉軒豆漿」が監修する豆乳専門店です。併設する製造所で作る自家製豆乳をさまざまなフレーバーで味うことができるほか、豆花(トウファ)など台湾のソウルフードも楽しむことができます。朝8時から営業しているため、朝ごはんにもおすすめです。

豆乳専門店「豆乳専科」

2023年2月、池袋駅の商業施設「Esola池袋」1階にグランドオープンして以来、4月には赤羽、6月には名古屋・大須にオープンするなど人気豆乳専門店となっています。

豆乳をメインとした台湾の料理やドリンクを販売しており、台湾の朝ごはんの定番「鹹豆漿(シェントウジャン)」をはじめ、「豆乳プリン」など本格的な豆乳を使ったメニューを楽しむことができます。

なお、豆乳あるあるマップ「豆乳博士の取材日記」、「豆乳食レポ」でも取材の様子を掲載しています。素朴な味わいに和む鹹豆漿(シェントウジャン)。台湾スタイルで朝ごはんに食べたり、軽めのランチにしたりするのも良いかもしれません。季節の変わり目で、胃腸が疲れているときにもおすすめです。お家で作る際は、無調整豆乳を使うとよりおいしく仕上がります。

(2024年2月19日豆乳あるあるマップ掲載記事より)

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