カインズ/建設機械レンタル会社と協業、プロ向けサービス拡充

SORABITOは3月6日、カインズが展開するレンタルサービスを農業や建築・建設業などに従事するプロユーザーに、より利用しやすいものとするため、全国の建設機械レンタル会社と連携しプロユーザー向けレンタル機械のラインナップを拡充する取り組みを開始したと発表した。

この取り組みにより、カインズ店舗で品質の保証された機械をレンタルできるようになるため、プロユーザーにとっては、普段の資材購入とあわせて建設機械レンタルという新たな選択肢が生まれる。一方で、本格的なDIY等を手掛ける個人ユーザーにとっても、プロユーザー向けの高品質な建設機械を手軽に試せるようになる。

これまで、カインズ大高店、桑名店、小牧店、半田店における先行実証を皮切りに、カインズ新座店、沼津店、船橋習志野店の3店舗で実証実験を開始している。導入店舗は順次、拡大する予定で、全国でプロユーザー向け建設機械が手軽にレンタルできる世界を実現し、新たな市場を創出すべく取り組んでいる。

カインズ店頭またはオンライン上の「CAINZ Reserve」を通してレンタル注文ができ、店舗でレンタル品の受け渡しが可能。取り組みにより、プレートやランマー、振動ハンマードリル、発電機などがレンタルのラインナップに加わり、今後も順次、拡張する予定だ。

<サービスの概要>

SORABITOは、「建設のあらゆる『現場』をスマートに」をビジョンに、建設機械レンタルのオンライン化を支援するSaaS「i-Rental 注文」を始めとして、建機レンタル・建設業界に様々なサービスを開発・提供している。

今回、プロ向けの建設機械レンタルの裾野拡大に寄与したいという想いから、顧客に対し新たな価値を提案したいカインズと、そのレンタル資産とノウハウを生かし新たな顧客層を開拓したい建設機械レンタル会社とを連携させる仕組みを企画し、オペレーションを構築する役割を担った。

新たなサービスは、SORABITOが日頃から取引している建設機械レンタル会社の賛同を得て、支援・協力を得たことにより実現した。今後もSORABITOは、建設機械レンタル会社やそのユーザーに対し真に価値あるサービスを提供し、業界のさらなる発展に貢献するという。

現在、建設業や農業における高齢化や人材不足が進む中、保有する機械類の老朽化や安全対策に課題を抱える中小・個人事業者が少なくない。点検が十分に行われていなかったり、専門性の不足から故障や不備が見過ごされたりすることで労働災害が発生するなど、そのリスクは深刻になりつつある。新しい取り組みを通じて適切な点検・整備が行われた機械がレンタルできるようになるため、安全性の向上が実現されるほか、新型機械の活用による生産性の向上も期待できる。

カインズは、プロユーザーの“かゆいところに手が届く”存在を目指し、「圧倒的な品揃え」や「商品開発力の強化」を標榜しているが、販売だけでなく「借りて楽しむ」サービスの提案を強化し、さらに「長く使う」(修理する、中古品を活用する)ことを通した循環型のサステナブルなサービス展開を推進している。プロユーザー向けレンタルの拡充を通して、地域に根差した循環型サービスの実現を前進させるという。

<各社の役割>

カインズの黒須茂行プロ事業本部本部長は、「これまでホームセンターは『仕入れて売ること』に一意専心していたが、昨今のプロユーザーとの向き合いから、売ること以外での貢献が何かできるのではないかと常々考えていた。その様な折、SORABITO社と縁を頂き、サービスリリースに漕ぎ着けることができた。従来は店頭で販売しないようなラインナップを展示することによって、顧客の我々を見る目線も大きく変わったと考えている。これからも顧客の声を大事にしながら、サービスの拡充に努めたい」という。

SORABITOの博多一晃代表取締役社長は、「海外ではホームセンターにおける建機レンタルが発展を見せている。当社は創業来建機レンタル会社・レンタル業界の発展のためにオンラインレンタルを可能とするi-Rental注文を中心に、レンタル業界向けに様々なサービスを提供してきた。今回、本格的な機械を手軽にホームセンターでレンタルできるという新たな顧客体験を提供し、レンタル業界の更なる発展へとつながる仕組みをカインズと開始できたことを大変光栄に思っている。当社の提供するオンラインレンタルとの親和性をより高め、スムーズな全国展開・ユーザーが利用できる店舗の拡大へと尽力する」とコメントしている。

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