もう眠れない夜を繰り返したくない!快眠を手に入れるために必要な3つとは?

シティ共働きメンバーズに、睡眠にまつわるアンケートをとったところ、8割以上が「悩みを抱えている」という結果に。「寝つきが悪い」「眠りが浅くて夜中に何度も起きてしまう」などの回答が見られました。では、具体的にどう気をつければ快眠を手に入れられるのでしょうか。眠りとお風呂の専門家、小林麻利子さんに聞きました。

※シティリビングWebで2024/2/2 ~ 2/9アンケートを実施。有効回答数82

1 深部体温※

ぐっすり眠るためには、寝る前に深部体温を急降下させることが大事。まさに下がりつつある…というタイミングでベッドに入ることで、ぐっと深く眠れるようになります。深部体温をコントロールするには、お風呂がとても重要で、一番良い入り方は、40度のお湯に15分浸かり、就寝1時間前にあがること。もし、ちょうどいいタイミングで入れないという場合は、就寝前に洗面器などにお湯を張って手を浸けるなど、皮膚の表面上の血流を良くすることでも効果が期待できます。

※脳や内臓など、体の内側の機能を守るために、一定に保たれる体温のこと

2 自律神経

日中は交感神経、夜は副交感神経、というように自律神経をコントロールし、夜に副交感神経を優位にすることが大事です。現代人は考え事やスマホなど、脳の刺激になるものが多く、どうしても交感神経が刺激されがちなので、何か良い香りのものを嗅いでリラックスできるようにするのがいいですね。アロマでもボディクリームでも、自分が好きな香りを嗅いで「いい香りだな」と思う感覚が脳にある“情動”という部分に伝わり、自律神経を整えるのに役立ちます。

3 体内時計

今、現代人で問題になっているのが“ソーシャルジェットラグ” というもの。平日と休日の起床時刻と就寝時刻の間の中央値が2時間以上差があると体内時計のリズムが崩れ、日本にいながらにして時差ボケ状態になってしまうのです。休み明けの月曜に非常に眠く感じるのもこのためです。まずは平日の睡眠の時間と質の改善に加え、なるべく平日と同じ時刻に太陽を浴びたり食事をとるように心がけてください。特に休日にブランチのように食事時刻が変わると、体内リズムが乱れて、眠りの質が悪くなる可能性もあります。

快眠のために行うべき習慣は 年齢 や 性別 によって違う?

大人と子どもではお風呂の最適な時間が異なります

まずは起床予定時刻から逆算して、就寝時刻を決めます。睡眠時間は大人なら6時間半~7時間、未就学児なら10時間くらいを確保できるように設定してください。就寝時刻が確認できたら、今度はお風呂に入る時間を定めます。子どもはお風呂からあがった直後に、大人は就寝の1時間後くらいにベッドにいけるように設定すると、体温がちょうどよく下がって眠れるようになります。

女性の場合、月経前はいつもより温かく

月経前は深部体温が下がりにくくなっているため、お風呂に入るときは炭酸ガス系の入浴剤にするなどして温熱作用を高くしたり、日中に階段を利用するなど、体温をあえて上昇させるようにして、体温の高低差を作るようにすると良いでしょう。

共働きメンバーズが抱える睡眠の悩みに小林さんがアドバイス

Q.私は夜勤で夫は日勤です。私たちのように生活のリズムが異なる場合、どのようにすれば相手の睡眠を邪魔することなく過ごせますか

樋上 琴美さん

A. 夜勤から何時に帰ってこられるのかによって状況が変わると思います。相手が起きる時間帯に帰宅できるのであれば問題ないと思いますが、そうでない場合は寝室を別にした方がいいですね。もしくはパートナーが寝る時間をもう少し早くしてもらって、自分が帰宅するタイミングと合わせて起きてもらうようにするのも一つの方法かと思います。

Q.まとまった睡眠時間の確保が難しいです。5時間・1時間・1時間…というように細切れで合計7時間寝てOKなのか、まとめて7時間寝ないと意味がないのか、知りたいです

小原 智子さん

A. やはり連続して寝ることが大事です。睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠とあり、一周期が90分と言われています。これを繰り返すことで成長ホルモンを分泌させたり、体のリズムが整っていきます。そのため、一周期に満たない時間で小刻みに寝たり起きたりを繰り返すと、交感神経と副交感神経のリズムが狂い、自律神経の大きな乱れにつながってしまいます。

教えてくれたのは

小林麻利子さん

眠りとお風呂の専門家、公認心理師。日本睡眠環境学会奨励賞受賞。JCSP日本睡眠改善カウンセリングで睡眠アドバイスを行う。SleepLIVE代表。科学的根拠のある研究を基にした実践的な指導が人気で、約4,000人の悩みを解決。近著「小林式マインドフルネス入浴法」。テレビなど出演多数

睡眠にまつわる悩みは、プロに相談するという方法も!

「医療レベルの脳波測定を基にした<公認心理師によるJCSP日本睡眠改善カウンセリング>が、全国からオンラインで受けられます。アメリカで、薬による治療よりも優るとされている認知行動療法をベースに、12年以上、睡眠個人指導で培った技術を加え開発したカウンセリング技法です」(小林さん)

JCSP日本睡眠改善カウンセリング

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