広島呉市に多機能「複合防衛拠点」新設 防衛省

 木原稔防衛大臣は5日の記者会見で広島県呉市の日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の跡地(約130ヘクタール)を含むエリアに「多機能な複合防衛拠点を整備する」考えを明らかにした。用地取得へ「本件土地を早期に一括購入することを視野に売買条件等について現在協議を行っている」と述べた。

 木原大臣は「民間誘致を含む装備品などの維持整備・製造基盤、ヘリポートや物資の集積場などの防災拠点、艦艇の配備、訓練場などの部隊の活動基盤、岸壁などを活用した港湾機能を同一の地域に一体的に整備し、部隊運用の持続性等を高めていきたい」とした。

 木原大臣は「防衛省としては防衛力の抜本強化のため速やかに呉地区に新たな拠点整備を行いたい。まずは防衛省においてゾーニングを作成し、それをできるだけ早い段階で地元自治体へ説明していきたい」とした。

 呉市の新原芳明市長は4日、市HPで「4日に防衛省の訪問を受け、防衛力の抜本的な強化のため今後『多機能な複合防衛拠点』を新たに日鉄呉地区の跡地に整備したいと説明があり、4者(日鉄、防衛省、広島県、呉市)で協議したいと申し入れがあった。防衛省から丁寧に話を伺ってまいりたいと考えているが、県や市にとって必要な情報は共有していただくよう要請する。呉市からは防衛省や日鉄に必要な意見を伝えてまいりたい」旨のコメントを発表した。(編集担当:森高龍二)

© 株式会社エコノミックニュース