Appleは、iPhoneのみを使って写真や映像を撮影するキャンペーン「iPhoneで撮影 ー Shot on iPhone 」の一環として、ショートフィルム『ミッドナイト』を公開。本日3月6日、プレス向け試写会を実施された。本編上映後、本作を監督した三池崇史氏ほか、出演者によるトークセッションを実施。その模様をお伝えする。
本作は”マンガの神様” 手塚治虫、最後の週刊少年漫画誌連載作品「ミッドナイト」を実写化したもので、全編iPhone 15 Proを用いて撮影。あらゆる最新のカメラ機能を活用し、躍動感のある19分のショートフィルムとして仕上げた。本編、および撮影の舞台裏は既にApple Japan YouTube公式チャンネルにて公開中。その出来栄えはにわかにiPhoneで撮影したとは思えないクオリティとなっている。
トークセッションには、本作の監督である三池崇史のほか、深夜のタクシー運転手ミッドナイトを演じた主演の賀来賢人、亡き父の運送会社を継いだトラックドライバーカエデ役の加藤小夏、そのカエデを追う殺し屋役の小澤征悦が登壇。全編iPhone 15 Proを使用して撮影が行われた本作のクリエイトについて語った。
本企画を持ちかけられた際、三池監督は「無茶なこと考える人いるな」と素直な思いを吐露。一方で今回の撮影において、想像以上に良い感じに仕上がったことから「こびりついた概念が崩れていきました」とコメントした。
手塚治虫作品を手掛けるにあたって、20歳に助監督デビューし、初めて参加した現場が加山雄三主演の『ブラック・ジャック』だったと三池監督。自らと手塚作品の結びつきを明かしながら、「そこから40年経って自分が手塚先生の連載作の監督ができる。それだけでやっぱりきもちが伸びました」と感慨深そうに語っていた。
主演の賀来賢人は、役者仕事のオファーを受ける際に１番大切にしている要素は「ワクワクだったり、やった事のない事」だとのことで、今回の『ミッドナイト』については、「iPhone 15 Proのみで撮影」「監督：三池崇史」「原作：手塚治虫」という要素でワクワク要素がてんこ盛りすぎて即返事を返したと振り返る。チャレンジングな企画だったが、完成作品を見て「本当に参加して良かった」とアピールした。
iPhoneを用いた撮影については、「iPhoneのサイズ感でしか出せないアングルの入り方が画期的だった」と賀来。カエデ役の加藤は制服姿で走るシーンにおいて、カメラマンがリグなどを装備せず手持ちで並走したにも関わらず手ブレの無い映像に仕上がったことに驚きを隠せなかったとコメント。
三池監督はそうした機能面のみならずドローンに乗せて速度を出すなど無茶な撮影やっていて、ハード的なトラブルがゼロだったというiPhone 15 Proのタフさに驚嘆。特にドローン撮影ではデジタル機器の組み合わせで画にノイズが走ることもあるというが、むしろスムーズに撮れすぎて撮影処理で振動を足すカットも発生するほどだったという。
殺し屋役を演じた小澤征悦は、その役柄故に暗所での撮影が多かったと振り返りつつ、完成品のクオリティから低照度撮影に耐えうるiPhoneの機能面に称賛を送った。
なお自身の役柄については台本上では「拳銃を持っている」としか書いておらず、現場に行ってみると監督からパペットを手渡され「これが拳銃なんだよ」と、原作に無い三池ワールド演出に面を食らった一幕を紹介。さらに、「あれ、兄ちゃん」と説明を付け加えて、本編内ではお兄ちゃん（パペット）の言う事を聞いて行動を取っていたという設定を明かした。
最後にiPhoneを使用した映画撮影について三池監督は「密かにいろんな人がいろんな使い方をしてると思います」と、既に撮影機材の一つとしてiPhoneが認知されていることを語り、「我々は普段使っているプロの撮影機材にはない力っていうのは明らかに持っている」と、その性能を高く評価。
「1番魅力的なのは、iPhoneは子供たちも持っている。手に取ればこれだけのもの撮影できるようなものを普段手にしてポケットに入れていること」とコメント。これに続き主演の賀来も「誰でも撮れることがいよいよ証明されたというか、若い方やそれこそお子さんだったりがとんでもない作品を撮る時代になるんだろうなって確信しました」と結んだ。
■『ミッドナイト』ストーリー
舞台は夜の東京。もぐりのタクシードライバー「ミッドナイト」は、若い女性トラック運転手「カエデ」と出会う。カエデがとある事情で命を狙われていることを知ったミッドナイトは、「第５の車輪」を持つ改造タクシーで彼女の逃亡に手を貸すことに。ネオン煌く東京で繰り広げられる一夜限りのカーチェイスをiPhone 15 Proのカメラが捉えます。
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