近江鉄道、32年間にわたり知的障害者から運賃過徴収 割引適用せず、返金方針

【資料写真】近江鉄道

 近江鉄道(滋賀県彦根市)は6日、知的障害者の特殊割引運賃について、1991年12月~今年3月の約32年間、割引運賃でなく、誤って普通運賃を適用していたと発表した。5日に是正し、過徴収分については利用者に返金する方針。

 発表によると、第2種知的障がい者が、同鉄道の駅から他社線に乗り継ぎ、片道100キロメートルを超える区間を一人で利用する場合、本来は国の認可を受けた特殊割引運賃(普通運賃の5割引き)を適用するが、誤って普通運賃を適用し、過徴収していた。

 また、割引区間の取り扱いを誤り、12歳未満の同知的障がい者が、介護者と普通乗車券で乗り継ぎを利用する場合、取り扱いができない特殊割引運賃(同)を適用していたという。

 今年1月、国土交通省近畿運輸局などから割引適用について同社に問い合わせがあり、社内調査で誤りが判明。原因について同社は「国の認可(1991年)当初から認識に誤りがあった」としている。

 同社は過徴収した利用者数は不明とし、ホームページにおわびとお知らせを掲載。「問い合わせていただき、療育手帳などで内容を確認した上で返金の対応をしたい」としている。割引区間取り扱いの誤りでは、本来より少ない額を徴収していたことになり、乗り継ぎ先のJR西日本など3社には経緯を説明しているという。

 同社は「事態を厳粛に受け止め、社内の確認体制を強化する」としている。問い合わせは鉄道部0749(22)3303。

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