【ふるさと納税】静岡・焼津市への寄付額100億円突破で5年連続県内1位の見込みも…なぜ人気?

さまざまな返礼品がもらえることでも人気の「ふるさと納税」ですが、2023年度、焼津市への寄付額が初めて100億円を突破し、5年連続で静岡県内1位となる見込みです。なぜ焼津市が人気なのか?その秘密と、寄付金の驚きの使い道を取材しました。

2023年度の「ふるさと納税」寄付金額が過去最高の100億円を突破した焼津市。市民からは驚きと寄付金の活用に期待する声が!

(焼津市民)

「知りませんでした。すごいね。駅前をにぎやかにしてほしい、 駅ビルをごっついの建てて人いっぱい集めて若者がいっぱい集まるような商業施設を誘致してほしい」

「市内でいろいろなことに活用していただけるので焼津に住んでいてとてもうれしく思う」「子育て中なので子育ての施設だったり公共施設を充実してもらえると過ごしやすくなりうれしい」

「ふるさと納税」とは、現在住んでいる自治体以外の生まれ育ったふるさとや応援したい自治体に寄付することで、自己負担額の2000円を除いた全額が住民税などから控除され、さらに、そのお礼として寄付した自治体から寄付金額の3割以内の返礼品が受け取れることから、年々利用する人が増えています。2023年度はついに、全国で寄付額1兆円を突破する見込みで、約900万人が利用しています。

焼津市はここ4年間、県内1位の人気を誇り、寄付額も年々増加していましたが、2023年度、ついに100億円を突破したのです。この快挙に市の担当者は…

(焼津市 ふるさと納税課 山下 浩一 課長)

「率直に大変全国から多くの寄付をいただいている」

「焼津市は水産・水産加工業が盛んで、良質な加工品をたくさん取り揃えている。中でもマグロのネギトロやツナ缶が人気」

「寄付を集めるだけでなく笑顔あふれる豊かな暮らしを送れるように活用をしていきたい」

返礼品の数は約1500品目と全国トップレベル。それだけでなく、100億円を突破した裏には、利用者に商品をより魅力的に感じさせる地道な取り組みが!

(焼津市 ふるさと納税課 山下 浩一 課長)

「サイトの情報やレビューの声を聞いて商品の改良をしている。行政だけでなく事業所も工夫していることが好調の要因かと思う。『ふるさと納税』の制度も改正されてきている。事業所にお伝えしながらサイトの見せ方など一緒になって取り組んでいる成果だと思う」

100億円突破の喜びの声は返礼品を提供する企業からも。

こちらは1番人気の「ネギトロ」を製造する会社。「ふるさと納税」の効果は売り上げにも表れているといいます。

(マルイリフードサプライ 直販・飲食事業部 久保 真也 課長)

「『ふるさと納税』があって助かっている。去年までは生産が追いつかず年末の出荷がゴールデンウイークまでかかっていた。工場の増設によって今はすぐに出せるようになっている。ネギトロに関しては1食分で使い切れる、解凍が流水で5分ですぐ食べれておいしいことが評価されている。リピーターにつながっている。焼津の商品に興味を持ってもらえるため自分たちも焼津市全体が盛り上がっていて非常にうれしい」

焼津市では、集まった寄付金を主に「子育て・観光・健康・防災」に活用するといいます。すでに市内には、「ふるさと納税」の寄付金を活用して、子育て世代の利用が多いこども館の建設費に使われているほか、市内にあるすべての小中学校で体育館や一般教室に冷暖房設備を設置し、トイレの洋式化などにも活用されています。この中学校では2月に32あった和式トイレの洋式化が完了し生徒の生活にも変化が…

(焼津市立焼津中学校 市川 克明 校長)

「トイレ全体が明るく感じられるようになった。子供たちの生活の落ち着きにも結びついている。またトイレに行きやすくなったのは子供たちのためになった。学校現場にとって必要なところにお金をつかっていただいてありがたく感じている」

寄付する人にも、寄付された自治体の住民にも大きなメリットがある「ふるさと納税」。行政や出品する事業者の工夫により寄付額が増加することでさらなる住民への還元も期待できそうです。

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