【フィリーズレビュー】データで導く万馬券の使者 前走距離と上がりが鍵

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特定条件クリアの距離短縮組を狙え

毎年のように波乱のフィリーズレビューだが、データ派にとっては最も簡単な重賞レースだ! と、ここまで大風呂敷を広げてしまうと、さすがにJAROから注意を受けるかもしれないが、しかしながら傾向のハッキリしたレースであることは間違いない。過去10年を参考にして、今年の注目馬を探ってみよう。

データ派以外のファンにも、前走1200m組が不振という事実は広まっているはずだ。該当36頭で【0-0-2-34】勝率0.0%、複勝率5.6%。馬券に絡んだ2頭、21年3着ミニーアイルと23年3着ジューンオレンジは前走で追い込んで馬券に絡んでいた。

逆に言えば前走1200mかつ前で競馬をしていた馬は絶望的ということになる。これは決して偶然ではない。近10回のうち、16年を除いた9回が前傾ラップだったように、本レースはほぼ確実にハイペースになる。しかも最後の直線には急坂が待ちうけている。そんなタフな舞台設定に距離延長で挑むと、歴戦の古馬でも最後が甘くなってしまう。ましてやまだまだ体力不足の3歳牝馬なら言うまでもない。コース変更でもない限り、今後も距離延長組は苦戦し続けるはずだ。

さて、察しのいい方ならお気づきだろうが、距離延長組が苦戦するレースでは距離短縮組が好成績を残しやすい。フィリーズレビューも例外ではない。前走1600m組は【7-8-5-50】勝率10.0%、複勝率28.6%。前走1200m、1400m組を圧倒する成績を残している。前走1600m組は回収率も素晴らしく、単勝回収率100%で複勝回収率166%。ベタ買いでも赤字にはなっていない。特に「前走上がり3F最速」だった馬は【4-1-0-1】と秀逸だ。該当馬6頭の成績を記載しておく。

15年 1着 クイーンズリング(1番人気)
15年 2着 ペルフィカ(7番人気)
15年 6着 ノーブルヴィーナス(9番人気)
19年 1着 ノーワン(12番人気)
22年 1着 サブライムアンセム(2番人気)
23年 1着 シングザットソング(2番人気)

驚くべきことに、該当馬がいた年は必ず勝利している。残念ながら、今年は当てはまる馬がいない。ただ、前走1600mで上がり3F3位のドナベティ、前走1800mで上がり最速のレディマリオンがいる。この2頭は「準・該当馬」として要チェックだ。

最後に阪神JF組をチェックしたい。前走同レースは【1-6-3-19】勝率3.4%、複勝率34.5%。勝ち切れないが安定感はあるというイメージだ。さらに同レース5着以内だと【0-4-1-0】の複勝率100%だ。そう考えると3着コラソンビート、5着シカゴスティングは有力視せざるを得ない。

現時点での結論としては、京王杯2歳Sの覇者であり、阪神JF3着のコラソンビートが安定感で一歩リード。軸としての信頼度は高い。人気馬を本命とするのだから、ヒモには穴馬も加えたい。阪神JF組のシカゴスティング、ドナベティは押さえるが、末脚タイプの距離短縮組という意味でレディマリオンとマーシーランが不気味だ。馬券はコラソンビートからの馬連4点と3連複6点。レディマリオンとマーシーランが絡めば、万馬券まで期待できる。少点数で一獲千金といこう!

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。



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