3月から冷凍食品・チョコレートなど値上げ 人気カレー店もスパイス価格1.6倍に困り声…「ボディーブローのように効いて来る」

2024年も円安や人件費増加などの影響で値上げラッシュが続きそうです。スーパーに並ぶ多くの冷凍食品は価格が上昇。家計にも影響を与えますが、人気カレー店も困らせています。円安が地方の店を苦しめているようです。

帝国データバンクによりますと、3月の食品値上げは728品目にのぼりました。

鳥取県米子市のスーパーを訪れると…

小崎純佳 キャスター
「値上げ品目の半数以上を占めたのが、レトルト食品や冷凍食品などの『加工食品』です」

ニチレイフーズは、家庭用の冷凍食品・常温食品の出荷価格を約1~6%値上げ。

ニッスイは、家庭用冷凍食品55品の出荷価格を約3~13%値上げしました。

原材料価格や包装資材の高騰などが理由としています。

まるごう米子南店 梅林功 店長
「冷凍食品につきましては、今月大半の商品が値上げという形になっています。ただ昨年と比べては、金額の値上げの幅は抑えられた形という印象です」

また、次に多かったのがチョコレート製品を中心とする「菓子」です。

キットカットが値上げになったほか、定番のアルファベットチョコレートは価格を維持したまま、内容量が少なくなります。

さらに、森永製菓も、4月1日出荷分からチョコボールなどの値上げを発表しています。

続く値上げに、買い物客は…

買い物客は
「んーしょうがないかな。人件費も上がるしね。大変だと思います」

まるごう米子南店 梅林功 店長
「その月その月でお買い得商品を売り場に展開して、お買い得商品をお客様に分かりやすくお伝えすることをモットーにしています」

帝国データバンクによりますと、賃上げに伴う人件費の増加や物流費の増加に伴う値上げも顕在化。

4月には2700品目以上の値上げが予定されてます。

値上げは家計にも影響しますが、飲食店も困らせています。

JR松江駅近くのカレー店では。

cullitan 苅田一成 代表取締役
「ナツメグ、ローズマリー、13種類くらい(スパイス)入ってます」

(Q 入れないわけにいかないです?)

cullitan 苅田一成 代表取締役
「まあそうですね、入れないは。ずっとこれ10年間これでやってるんで。何か減らしたりっていうのは(できないです)」

島根県松江市中心部に2店を構えるKARLYです。

入江直樹 記者
「とろとろに煮えてます。スパイスがもう鼻にツーンと抜けて行きますね。心地良いですね」

手羽肉がごろりと入ったチキン野菜カレーや、チキンカレーが人気メニューで、香り豊かなカレー作りには様々なスパイスが不可欠ですが、価格が、じわじわ上昇。

こちらの店では、内容量や材料を減らして実質的な値上げを見えにくくするステルス値上げは考えておらず、「スパイス値上げ」に困っているのです。

cullitan 苅田一成 代表取締役
「(卸会社から)『ちょっとずつ値上げします。円安で値上げします』って。スパイスの値段がキロ100円くらい上がると1種類だけじゃないので、それが何種類もあるから」

原因は2022年3月頃からの円安。

その前の月に始まったウクライナ紛争の影響も加わって、輸入食品は軒並み値上げになりました。

主にインドから輸入されているスパイスも例外ではなく、クミンが1年前の1.6倍。ターメリックは1.3倍に。

cullitan 苅田一成 代表取締役
「この上がり方で上がり続けると、やっぱりどんどんどんどん、ボディーブローのように効いて来るのではないかと」

東京では円安を背景に1杯7000円の通称・インバウン丼が訪日外国人客に人気といいますが

cullitan 苅田一成 代表取締役
「僕たちの商売って観光客を相手にするっていうよりも、やっぱり地元の人を対象とした商売をしてると。値上げっていうのはね、厳しいかなと思います」

訪日観光客の回復をもたらす円安が地方の店を苦しめています。

© 株式会社山陰放送