駆け付けた恋人デミノーの前で“カップル同週優勝”を成し遂げたボールター!「色々な意味で特別な1週間」<SMASH>

女子テニスツアー「サンディエゴ・オープン」(アメリカ・サンディエゴ/ハード/WTA500)に出場していたケイティ・ボールター(イギリス)が、3月3日のシングルス決勝でマルタ・コスチュク(ウクライナ)を5-7、6-2、6-2で下し、ツアー2勝目を挙げた。初のWTA500制覇というのもニュースだが、それと共に注目を浴びたのがボーイフレンドのアレックス・デミノー(オーストラリア)の存在だ。

前日の土曜日に男子ツアーの「アビエルト・メキシコ・テルセル・HSBC」(メキシコ・アカプルコ/ハード/ATP500)を制したばかりのデミノーが大急ぎで駆け付け、スタンドで見守るなかでの“カップル同週優勝”だったのだ。

「ボーイフレンドに感謝の気持ちを伝えたい。昨夜試合を終えた彼は今朝4時15分のタクシーに乗って、6時のフライトでここに来てくれたの。本当にありがとう」

表彰式でのスピーチでデミノーに感謝を伝えたボールターにとっては、まさに「色々な意味でとても特別な1週間」だったはずだ。大会で倒した相手は5人――レシア・ツレンコ(ウクライナ)、ベアトリス・ハダッドマイア(ブラジル)、ドナ・ベキッチ(クロアチア)、エマ・ナバーロ(アメリカ)――全てがトップ50。キャリア通算で9だった対トップ50の勝利数は一気に14となった。また、イギリス人のWTA500タイトル獲得は、ヨハンナ・コンタに続く2人目の快挙でもある。
「精神的にタフでいられたことが大きかったし、冷静さを保つことができた。それが本当に助けになったわ」

27歳のボールターは大会での好調ぶりをこう振り返った。彼女は自身のキャリアを支えるデミノーの存在の大きさをたびたび口にしてきたが、今回、サンディエゴとアカプルコに離れながらも揃って勝ち進み、先に優勝したパートナーが駆け付けてくれたことほど心強いサポートもなかっただろう。

アカプルコで連覇を達成した際、デミノーはこう語っている。

「アカプルコは僕のテニス人生で非常に良い舞台になっている。ここでATP500を初めて優勝したし、キャリア初のタイトル防衛もここだ。アカプルコは僕のホームグラウンドのように感じるし、素晴らしい場所だ」

彼女にとってはサンディエゴが特別な場所になるのかもしれない。49位だったボールターのランキングは、この優勝により自己最高の27位へジャンプアップした。

優勝した2人は、サンディエゴからインディアンウェルズに向かい、揃って「BNPパリバ・オープン」(3月6日~17日/ハード/WTA1000・ATP1000)に出場する。

構成●スマッシュ編集部

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