怒号・出禁は当たり前?現役記者が語る「取材がキツイ政治家」4選!選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年3月3日に公開された動画のテーマは……取材が難しかった政治家!

ゲストに朝日新聞政治部記者の今野忍氏と産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏をお招きし、取材が難しかった政治家4名について語っていただきました。

番記者が見た政治家の素顔とは?

【このトピックのポイント】
・取材が難しい政治家として菅義偉氏、前原誠司氏、亀井静香氏、大島理森氏の名前が挙がる
・今野氏、水内氏いずれも怒鳴られたり、記者会見への出入りが禁止されたりした経験あり
・昭和の大物政治家は厳しいが記者への愛を感じる一面もあった

菅義偉氏 第99代内閣総理大臣

今野氏がまず最初に挙げたのは菅義偉氏です。取材の難しさのポイントとして今野氏は「言葉の少なさ」に言及。「それ」「あれ」といった代名詞が多く、東北人の寡黙なイメージを体現しているような人物だったとのことです。

「自分のやっていることをうまく発信する能力が必ずしも高い方ではない。実務の人というか裏方の人というか」とコメントしました。

人柄については番記者に対して厳しい面を見せる一方で、面倒見がよく温かいところもあったとのこと。今野氏は「色んな意味で深い」と振り返りました。

水内氏も「夜の政論」という企画のなかで、今野氏と同様の印象を抱いたようです。

水内氏「じっくり話すとじわじわと人の良さがわかるんですよ。人の気持ちをとく考えながら話をしてるなっていう」

一方で突っ込んだ質問に対しても何かしらの答えは返ってくるものの、必ずしも言質が取れるわけではなく間合いの図り方が難しいと感じたとのことです。

前原誠司氏 教育無償化を実現する会・代表

続いて水内氏が取材の難しい政治家として挙げたのは前原誠司氏です。水内氏は前原氏が民主党の政調会長だった時の番記者でした。

当時の民主党政権は政策を打ち出すものの実現できないものが多く、水内氏は民主党政権の政策責任者である前原氏のことを「言うだけ番長」と、たびたび記事にしていました。

そのことで、議員会館のエレベーターで前原氏から「俺のどこが『言うだけ』か言ってみろ!」と言われたことがあると水内氏。

そこで、前原氏が国土交通大臣として実現できなかった八ッ場ダムの中止に言及し、場が凍り付いたとのことです。

今野氏「俺ね、その現場見てたんですよ」

記者会見の出入り禁止を言い渡されたこともありましたが、最終的に前原氏が民進党の代表に就任後のインタビューで意気投合し、和解します。

その時、現実的に政権交代可能な政党を目指す前原氏に水内氏は強く共感したものの、しばらくして民進党は崩壊。期待していただけに水内氏もがっかりしたようです。

今も「言うだけ番長」らしさを見せる前原氏に対して、水内氏は真面目な人柄ゆえのこととコメント。「言うことを辞めちゃいけない」と続けました。

亀井静香氏 元衆議院議員/国民新党・元代表

今野氏が2人目に挙げたのは亀井静香氏です。小泉政権の郵政民営化に反対し、国民新党を結成。民主党政権下の閣僚も経験した、強い影響力を持った政治家でした。

当時、ベンツに乗って毎晩のように赤坂の料亭で役人を集めて宴会を開いていたとのこと。番記者だった今野氏は夏も冬も外で亀井氏を待ったそうです。

ザ・大物政治家のふるまいをする亀井氏について今野氏は「懐に入るまでは難しいけど、入ると優しい。自民党の昔の親分なんですよね」とコメント。料亭の中に入ったこともあるとのことです。

そんな亀井氏から今野氏は出入り禁止を言い渡されたことがあります。それは今野氏が「国民新党は支持層である特定郵便局のための政策ばかりしている」と記事に書いたことがきっかけでした。次の記者会見で今野氏は亀井氏に怒鳴られ、記者会見を出入り禁止に。

しかし、今野氏が記者会見に行かないでいると、亀井氏から「出禁と言われて本当に来ないバカがいるか」と声をかけられたそうで「周りの目があると厳しいのに2人になると喋ってくれる」と振り返りました。

MC伊藤由佳莉「度量の深さみたいなものがありますね」

水内氏「昭和の政治家の、個々の記者を見てくれている(中略)温かさみたいな部分はありますよね」

大島理森氏 元衆議院議員/元衆議院議長

水内氏が最後に挙げたのは歴代1位の衆議院議長在職日数記録を持つ大島理森氏。水内氏が担当したのは第1次安倍政権の終わりで大島氏が国対委員長を務めていた時でした。

当時は衆参がねじれ国会になっており、野党とどう対峙していくかが非常に重要な時期。取材をしても核心をなかなか語らず、タクシーで追っても逃げ切られてしまうこともあり、「何をしているか全く分からない時がある」と振り返りました。

ここでも前原氏の時と同様、水内氏は大島氏の政治スタイルを「おにぎり大島」「おむすびころりん」と表現。たびたび記事にしていました。

するとある日、水内氏は大島氏に呼び出され大声でお叱りを受けます。ただ、「お前は表層的なことしか書いてない。しっかり取材をした上でこっちに来なさい」と丁寧に教えてくれるようになったとのこと。

「物事の進め方とか人生哲学みたいなものを教えてくれる部分があって。記者というより社会人としての基盤みたいなものを教わった」と振り返りました。

政治家と記者という一見相対するような存在でありながら、今野氏・水内氏とも政治家と深い交流があったことがうかがえます。

水内氏「そういう愛情を感じると記者の方もおもねるのとは違って、この人が何を考えているのか真剣に考えるようになりますよね。バトンを渡しあうというか、そういう風になると物事の核心のものが聞けるんじゃないかな」

今野氏「でも一体化しちゃいけないし。向こう側には行っちゃいけない」

動画本編はこちら!

政治家に怒鳴られ、喧嘩になることも?番記者が語る政治家の素顔!

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